科目情報
科目名 有機化学概論 
クラス − 
授業の概要 有機化学の考え方、ロジックを中心とした「楽しくて正しい有機化学の学び方」を伝える。物質の成り立ちからさまざまな化合物の性質や反応まで有機化学の広い学問体系を、暗記ではなく、「なぜそうなるか」「どう考えればよいか」という化学の考え方に立って網羅的に学ぶ。物質の物性や変化の背後に隠れている理由や原理を理解することで、ほとんどの反応や物性が予測でき、膨大な暗記から解放される。これこそが化学の醍醐味で、それを伝えたい。また、時間の許すかぎり、実際の化合物や反応に触れ、「きて、みて、さわって」体で納得しながら理解す 
授業の到達目標 (1)有機化学の「基本文法」を学ぶ
有機化学を理解するために必要な基本的な約束ごとを確実にマスターし、「暗記モノ」ではない本物の有機化学(後述)を学ぶための基礎をつくる。原子、分子の成り立ち、構造式の書き方、化合物の分類と性質、物性の違いとその理解、命名法、電子の動かし方、反応の理解と反応機構など。
(2)「暗記モノ」からの脱却
「化学は暗記モノ」などという誤った考え方を捨て、考え方、ロジックを中心とした本物の有機化学(= 考える化学)を身につける。一見、無関係とも思えるさまざまな化学現象の裏に潜む共通し 
授業計画 テキスト(下記)に準拠し、第1章から第14章までの範囲を,大切な項目をピックアップしながら学習してゆく。授業回数は約14 回。したがって、理想的には、1章あたり約1回の授業で進むことになる。そのため、予習を前提とした授業形態を採用したい(後述)。また、PowerPoint とプリントを有効に使い、板書やノートを取る手間や時間をなるべく節約しながら、実物に触れたり実際の反応を見たりする体験学習に時間を割く。
参考までに、テキストの目次をあげておく(量が多いと驚くなかれ。全部やるわけではない)。
1章 電子構 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 テキストは、P. Y. Bruice 「ブルース有機化学概説」(化学同人、2006)ISBN 4-7598-1069-2。決して安くはないが(定価 5200 円)、有機化学の広い体系を基礎からきちんと全部書いてあり、有機化学を楽しんで学習(自習)することを目的に書かれた秀逸なテキスト。中途半端な初学者向けのテキスト(それでも3000 円はする)よりはずっとわかりやすいし、必要な時に必要な情報がすべて得られ、今後も長く使用に耐える。フルカラーのわかりやすい図や写真、身近な話題や驚くような化学エピソードを取り
自学自習についての情報: テキストの章末演習問題を解き、毎授業終了時に自主レポートとして提出することを奨励する。提出されたレポートは丁寧に添削して返却するので、自学自習にフィードバックしてほしい。 
授業の形式 予習を前提とした授業形態をとる予定のため、各自はあらかじめテキストを読んでから授業に臨んでほしい(もちろん、完全に理解できなくてもよい)。授業の中ではテキストを網羅的に講読することはせず、最も重要なトピックスを選んで、ピンポイントで有機化学の考え方を中心に説明する。予習なしに出席しても得るものは少ないかも知れないが、予習して授業に臨むと格段に深い理解が得られるはず。PowerPoint とそのハードコピーを有効に利用し、板書とノートを取る時間と手間を軽減する。出席がわりの小テスト(5分ていど)を毎回実施す 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 実績主義、加点主義で、必ずポジティブに評価する。単なる出席点はない。期末試験の成績 (30%)、自主レポートの質と量 (40%)、毎回実施する小テストの内容 (20%)、授業への積極的な参加 (10%) など、「目に見える実績」をすべて加点主義で評価する。減点は一切なし。上限もないので、本人の努力次第で、頑張ったら頑張っただけ努力に応じた高い評価が得られるシステムを約束する。
 
本授業に関する情報  
その他 連絡先
〒611-0011 宇治市五ヶ庄 京都大学化学研究所 生体触媒化学研究領域
http://biofun.kuicr.kyoto-u.ac.jp/index-j.html
TEL: 0774-38-3231
E-mail: hiratake@scl.kyoto-u.ac.jp
質問があれば随時(メールは件名に発信者を明記のこと)