科目情報
科目名 遺伝学 
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授業の概要 子が親と似た性質(character)をしめすことは、古くから広く認められてきた現象です。この現象を遺伝(inheritance)といいます。親から子へは一定の法則に従って遺伝子が伝えられます。この原理(遺伝法則)は今から約1世紀前にメンデルによって発見されました。
遺伝学(genetics)は、遺伝の仕組みとその物質的基盤を明らかにしようとする学問分野です。メンデルによる近代遺伝学の幕開けから1世紀以上が過ぎ、ヒトを含むすべての生物の生命活動に遺伝子(gene)が関与することが明らかになってきました 
授業の到達目標 高等学校の生物学分野で「わかりにくい」といわれ、多くの生物嫌いの生徒を生み出しているのが「遺伝」の分野と思います。遺伝学のわかりにくさは、「遺伝子」という抽象概念を取り扱うことに起因します。この講義では、抽象概念としての「遺伝子」の振る舞いが、減数分裂のときの染色体の行動とパラレルなことを詳しく解説し、「わかる遺伝学」を展開したいと思います。高校のときの生物で遺伝があまりよくわからなかった、いわゆる分離比を丸暗記して乗り越えたという人たちの受講を歓迎します。一見複雑な現象が簡単な原理で説明され得ることを 
授業計画 1.はじめに:遺伝とは?遺伝学とは?
2.生物の階層性と細胞説
3.細胞の増えかた(体細胞分裂と減数分裂)
4.遺伝の法則:メンデルは何を見つけたのか?
5.様々な遺伝現象:複雑な現象も簡単な法則に支配されている
6.連鎖と組換え:兄弟の差を生み出す減数分裂の仕組み
7.遺伝子の所在:遺伝子の物質的基盤は何か?
8.遺伝子の発現:分子遺伝学の基礎、セントラルドグマ
9.突然変異:遺伝子突然変異と染色体突然変異
10.遺伝と環境:量的形質の遺伝学
11.遺伝子の多様性:集団の遺伝学 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 出来るだけ平易に解説するため、高等学校・大学での生物学の履修は問いません。しかし、未履修者は高等学校生物の教科書・図説・参考書を利用して基礎知識の補充をしてください。
テキストは特に指定しません。授業の概要はプリントとして配布します。同時に、以下のサイトから公開します。
http://www.plant-genetics.kais.kyoto-u.ac.jp/Iden/index.htm
参考書としては、「エッセンシャル遺伝学」(培風館)、「遺伝学概説」(培風館)をお勧めします。とくに「遺伝学概説」は遺伝学をはじめて学ぶ米国大学生向けに書かれた教科書で、「遺伝学」のエッセンスが豊富な練習問題とともに提示されているのでお勧めです。「エッセンシャル遺伝学」は綺麗なイラス 
授業の形式 上記授業計画の項目を1回ないしは2回の講義で解説します。受講者の理解を助けるために、講義時間中に演習問題を解いてもらいます。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席:10%
期末試験:90%
両者を総合して評価します。 
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