科目情報
科目名 自然地理学 
クラス − 
授業の概要 地球の表面を覆う十数枚のプレートが年間数センチメートルの速度で移動しており、それが大陸と海洋の分布、大山脈の形成、火山帯や地震帯の分布に関与していることを概説する。また、このプレート運動が日本列島の土台を形成したことを説明する。さらに、この土台が、最も新しい地質時代である第四紀に、氷期と間氷期の繰り返し、およびプレートの圧力によって変形を受けてきたことを説明する。 
授業の到達目標 人間の生活の舞台である地表面の起伏について、その形態と成因を理解する。
1.世界の大地形と日本列島の土台が形成されたプロセスを知る。
2.その土台が第四紀に変形を受け、現在の地表面となったことを知る。
 
授業計画 1.はじめに(自然地理学の定義と扱う範囲) 
2.大陸移動説(大陸の移動を説明するためにアルフレッド・ウェゲナーが集めた数々の証拠)
3.海洋底拡大説(海嶺で形成された海洋底が海嶺から離れるように移動していくという説) 
4.グローバル・プレート・テクトニクス(世界の大地形の形成と分布) 
5.火山の種類と分布(火山のタイプと分布はプレート・テクトニクスによって説明される)
6.日本列島の土台(日本の土台は、主にプレートによって運ばれてきた付加体によって構成される) 
7.造山運動(日本列島の土台がプレートの圧力によって変形していく) 
8.第四紀の定義・範囲・特徴(最も新しい地質時代である第四紀が自然地理学で扱われる理由)
9.古環境の推定方法(古環境の推定方法と年代測定方法の概要)
10.氷期(第四紀は氷期と間氷期の繰り返しであった:そのサイクルが生ずる原因と氷期の自然)
11.氷河地形(氷河は移動することにより、大地を削り、大量の岩屑を運び、それらを堆積させる)
12.周氷河現象・周氷河地形・化石周氷河地形(雪の少ない寒冷地では、地面が凍結融解を繰り返す) 
13.後氷期(約1万年前に最終氷期が終了し、急激に温暖化し、現在に至った)
14.氷河性海水準変動(氷期には海面が低下し、間氷期には海面が上昇する)
15.期末試験
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 テキスト:『詳解現代地図帳』(二宮書店)¥1,600
参考書:平 朝彦 著 「日本列島の誕生」岩波新書
    田淵 洋 編・著「自然環境の生い立ちー第四紀と現在」朝倉書店
    ヴェーゲナー著(都城秋穂・紫藤文子訳)「大陸と海洋の起源」(上・下)岩波
 
授業の形式 講義 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席点(20点)、小テスト(30点=1回10点満点を3回)、期末試験(50点)の合計点で評価する。出席点は授業回数の2/3以上の出席に対し、出席回数に応じたものとする。小テストは持ち込み不可とするので、復習や質問等によって理解を深めておく必要がある。また、期末試験はノート、地図帳、配布資料の持込を可とするが、詳細な内容を要求するので、ノートのとり方には特に工夫を心がけること。板書の転記にとどめていてはテストに対応できない。 
本授業に関する情報  
その他 自然環境と人間活動との関係に興味のある者は「地理学」「風土と文化」「地誌学概論」の受講を勧める。