科目名 |
天文学I |
クラス |
− |
授業の概要 |
太陽系天体は特性として、サイズが小さくなればなるほどその天体の数が多くなることがわかっている。目立たないが、その数から言えば、小天体は太陽系ではメジャーな存在であり、太陽系形成の際にも重要な役割を果たした。ある種の小天体に対しては、地球への衝突の可能性という点からも関心が高まっている。天体は通常、地球から観測されるが、その観測をもとに、太陽系天体を太陽を中心とした3次元空間内の対象としてとらえる。そして、ここでは太陽系の歴史を概観しながら、小天体の起源から現在にいたるまでの変遷を追い、その物理的性質と太陽のまわりの軌道特性・振る舞いから太陽系の過去・現在を探る。 また将来の、太陽系に関わる問題や生活にも関係すると考えられる話題にふれる。 |
授業の到達目標 |
私たちの地球(環境)は、太陽系の中の天体としてどのような存在か、天体力学の視点からみていく。 1.天体の(天球上の)位置、それを観測する際の日時との関係が分かる。 2.太陽系天体の運動を、太陽を中心とした軌道運動としてとらえる。 3.太陽系天体の物理的状態・性質・軌道運動の特性を知る。また軌道が変化する場合には、その過程と原因について理解する。 4.太陽系起源と形成について基本的なメカニズムを理解する。 |
授業計画 |
1.天球上の星々と私たち(観測者)をつなぐ(3回) a.私たちの、太陽系内の位置や時間(時刻)について知る b.天体の位置(赤道座標:赤経α・赤緯δ)と観測 c.星観察ガイド(その星は何月何日頃、見やすいか) 2.天体の軌道上の運動特性:2体問題(3回) a.ケプラーの法則と万有引力の法則 b.天体運動における不変量とは c.人工飛翔体の運動 3.数値計算の方法による軌道研究(2回) a.時間変化する太陽系天体の軌道とは b.惑星への飛行軌道 4.太陽系小天体に見る太陽系の過去・現在(3回) a.太陽系小天体の観測と探査 b.太陽系小天体の物理・軌道特性 c.地球接近小天体の実態 5.太陽系の起源(3回) a.太陽系天体のデータ b.太陽系の形成過程 c.太陽と惑星の素顔・環境 d.太陽系外惑星系(最近の観測) |
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 |
参考書: 理科年表2008(国立天文台編)丸善 新しい太陽系(渡部潤一著)新潮選書238 太陽系の果てを探る(渡部潤一・布施哲治著)東京大学出版会 太陽系の構造と起源(中沢清編)恒星社 |
授業の形式 |
講義形式。テーマごとにプリント配布。ビデオ・画像演示。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
試験、ミニレポート(時間中に基礎的な事柄について演習を行う)により評価。 試験80%+ミニレポート20%。 |
本授業に関する情報 |
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その他 |
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