科目情報
科目名 生徒指導特講 
クラス − 
授業の概要  学校教育における児童生徒への教員からの働きかけは、基本的には、「自我」の力を用いて「外界」との関わりを適切に行っていく力を育てていくことに力点を置いている。一方で、心理臨床的(あるいはカウンセリング的)な関わりの中では、「内界」に目を向け、その中にあるもつれを扱っていくことで、より適切な行動をとることを目指している。「外界志向」と「内界志向」の、二つの志向性は、子どもたちへの関わりの中で、あるときは補い合い、あるときは対立する形で、様々な役割を演じてきた。
 近年、学校教育現場において、外界志向的な方法だけでは対応が困難な場合が多くなっている。一方で、学校という場の中では、内界だけに目を向けているのでは対応できない。
 この授業では、このような昨今の学校現場での生徒指導の実際に関して、担当者のスクールカウンセラー体験の中から得た知見を基に、参加者とともに考える形ですすめていきたい。
 
授業の到達目標  学校教育の中での児童生徒との関わりの中で、「内界」への見立てや目配りを適切に行えるような教員になること。子どもとの心理的援助の中で、「内界」のもつれと取り組みつつ、様々な外的現実にも適切に目配りができるような、心理臨床家(たとえばスクールカウンセラー)になること。 
授業計画 第1部:講義(3回程度)
 心理臨床と学校教育
 生徒指導と教育相談
 いわゆる「カウンセリング・マインド」の問題点
   など
第2部:事例の講読
 「スクールカウンセリング・モデル100例」かしまえりこ・神田橋條治(著) 創元社
   などの事例を授業参加者で読み、討論する。
第3部:関わりの検討
 学校現場における、様々な児童生徒との関わりを断片的に報告してもらい、討論する。

おおよそ、このような構成を考えているが、授業参加者の人数や方向性(教員志望者・教員出身者・心理職志望者)により、柔軟に対処することになる。 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 参考書として
  「スクールカウンセリング・モデル100例」 かしまえりこ・神田橋條治(著) 創元社
  
授業の形式 第1部は講義。第2部は、文献の指定箇所を受講者全員が読んだ上で、授業では、自由な討論と授業担当者によるコメント。第3部は、受講者のうちの担当者による簡単な報告(多くてもA41枚程度)と、討論・授業担当者によるコメント。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席・発表を含めた授業への参加意欲・態度を中心に、学期末のレポートを加味して評価する。比率については、授業への参加者数が確定してから、授業前半に明確にする予定。 
本授業に関する情報 具体的な実践を基に討論することが考えられる。その際の守秘義務については、かなり厳格に考えること。 
その他