科目情報
科目名 特色あるカリキュラム開発と課題 
クラス a 
授業の概要 本授業では、学校のカリキュラム全体を見通す視野を獲得するために、まず、学習指導要領の基本構造やカリキュラム編成の基本原理及びその手続きについて解説し、特色あるカリキュラムを開発・実施している学校(小学校、中学校、高等学校)へのフィールドワークを実施する。フィールドワークの結果を踏まえて、学校の教育内容をどのように開発していくのか、特色あるカリキュラム開発を如何に進めるのかという点を中心に、多角的に事例研究を行う。これらの知見を活かし、学校全体のカリキュラムを見通しながら、一領域を選択し、そのモデルカリキュラムの作成と修正を行うことで、カリキュラムの開発及び複数のカリキュラム案から最善のパターンを選択することができる基本的力量を形成していく。 
授業の到達目標 学習指導要領の基本構造やカリキュラム編成の基本原理を理解し、学校教育全体の中でカリキュラムを考える視野を獲得する。また、現在着目されている新しい学校教育内容領域の基本的考え方やカリキュラム開発上の課題を理解するとともに、学校の実態に応じた特色あるカリキュラムを開発していくための基本的力量の形成を目指す。 
授業計画
内容
1イントロダクション―カリキュラムとは何か―
本科目の位置づけや全体構想、獲得目標等について説明を行う。講義の導入として、カリキュラムの基本的な性格、学習指導要領体制、特色あるカリキュラム開発について講義を行う。 
2カリキュラムの基本構造と編成原理
学習指導要領の史的展開を踏まえつつ、現在の学習指導要領の基本的構造や編成の原理、学校におけるカリキュラム開発と現代的課題、特色ある学校づくり・特色あるカリキュラム開発の求められる背景・課題について解説を行う。 
3カリキュラム編成の基本的視点と手続き
学習指導要領の構造を踏まえ、学校現場におけるカリキュラム開発において、その基本的視点や手続き、課題などについての解説を行う。 
4フィールドワークの準備及び課題別グループ分け
フィールドワークの準備、内容、方法などについて説明する。また、受講生を課題別のグループに編成するとともに、グループごとにフィールドワークでの具体的調査項目について決定する。 
5フィールドワーク―小学校への学校訪問―
設定した課題に即して、特色あるカリキュラム開発を進めている小学校を訪問する。カリキュラム開発を担当する教員に、カリキュラム開発の実際や課題についてインタビューを行うとともに、必要に応じて、授業や学校行事などを見学する。 
6フィールドワーク―中学校、高等学校への学校訪問―
設定した課題に即して、特色あるカリキュラム開発を進めている中学校、高等学校を訪問する。カリキュラム開発を担当する教員に、カリキュラム開発の実際や課題についてインタビューを行うとともに、必要に応じて、授業や学校行事などを見学する。 
7特色あるカリキュラム開発と教育内容の創造―国際理解教育―
特色あるカリキュラム開発の事例として、ここでは「国際理解教育」を取り上げ、その基本的理念や背景、教育内容開発の方法、学校教育全体の中での位置づけなどを解説するとともに、「国際理解教育」を中心として特色あるカリキュラム開発を進めている学校の事例について、多角的に検討し、その実際と課題を明らかにしていく。必要に応じて、ユネスコ協同学校の事例なども紹介しながら、事例研究を進めていく。 
8特色あるカリキュラム開発と教育内容の創造―シティズンシップ教育―
特色あるカリキュラム開発の事例として、ここでは「シティズンシップ教育」を取り上げ、その基本的理念や背景、教育内容開発の方法、学校教育全体の中での位置づけなどを解説するとともに、「シティズンシップ教育」を中心として特色あるカリキュラム開発を進めている学校の事例について、多角的に検討し、その実際と課題を明らかにしていく。必要に応じて、当該分野で長年の実績を持つ米国や英国の事例も紹介しながら、事例研究を進めていく。 
9特色あるカリキュラム開発と教育内容の創造―キャリア教育―
特色あるカリキュラム開発の事例として、ここでは「キャリア教育」を取り上げ、その基本的理念や背景、教育内容開発の方法、学校教育全体の中での位置づけなどを解説するとともに、「キャリア教育」を中心として特色あるカリキュラム開発を進めている学校の事例について、多角的に検討し、その実際と課題を明らかにしていく。 
10特色あるカリキュラム開発と教育内容の創造―食育―
特色あるカリキュラム開発の事例として、ここでは「食育」を取り上げ、その基本的理念や背景、教育内容開発の方法、学校教育全体の中での位置づけなどを解説するとともに、「食育」を中心として特色あるカリキュラム開発を進めている学校の事例について、多角的に検討し、その実際と課題を明らかにしていく。 
11特色あるカリキュラム開発と教育内容の創造―地域教材の活用―
特色あるカリキュラム開発における地域との連携や地域教材の活用について、その基本的考え方や教育内容開発の方法、地域との連携の方法などを解説するとともに、地域との連携や地域の教材を活用して特色あるカリキュラム開発を進めている学校の事例について、多角的に検討し、その実際と課題を明らかにしていく。 
12特色あるカリキュラム開発と学校の諸条件
学校現場で特色あるカリキュラム開発を進める前提となる学校の諸条件について解説をする。主には、オープンスペーススクール、一貫教育校、都市部と農村部の学校を事例として取り上げ、学校のおかれた諸条件が、特色あるカリキュラム開発へ及ぼす影響などについて、実際的課題を検討していく。 
13特色あるカリキュラム案の開発T
学校全体のカリキュラムの中に位置づけることを念頭に置きながら、講義で扱った領域の中で、一領域を選択し、そのモデルカリキュラム案を開発する。その際、一定の前提条件を付与することによって、より実態に即したモデル・カリキュラム開発を行うようにする。 
14特色あるカリキュラム案の開発U
各受講生が開発したカリキュラム案を持ち寄り、グループ内で相互に検討することを通して、複数のカリキュラム案の中から、より効果的なカリキュラム案を選択し、その修正作業を行っていく。 
15特色あるカリキュラム開発と課題―講義のまとめ―
講義のまとめとして、受講生の意見交換を含めながら、特色あるカリキュラム開発の方法や課題等について、森田真樹と実務家教員が、それぞれの立場から講義の総括を行い、講義での学習内容を確認をしていく。 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 <テキスト>
『小学校学習指導要領解説(総則編)』 『中学校学習指導要領解説(総則編)』 『高等学校学習指導要領解説(総則編)』 
<参考文献(以下の文献以外は講義の中で、適宜指示する)>
『特色ある学校づくりのための新しいカリキュラム開発(第1〜5巻)』ぎょうせい、2004年 
授業の形式 講義、フィールドワーク、事例研究、演習(シミュレーション) 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席、フィールドワークや討論への参加の積極性と課題の遂行度、講義内容の理解度、カリキュラム案及びレポートなどを総合的に評価
配点:出席及びフィールドワーク・討論を5割、カリキュラム案及びレポートを5割とする。 
本授業に関する情報 研究者教員と実務家教員が共同で担当 
その他