科目情報
科目名 平和教育論 
クラス − 
授業の概要 平和教育について国内外の文献を基に理論的考察を進める。教育基本法が規定する教育の目的である「平和で民主的な国家及び社会の形成者」の視点から、戦後日本の学校で行われてきた平和教育の実践と理論を分析する。諸外国の平和教育理論と実践を比較分析することにより、日本の平和教育の特性と課題を明らかにする。平和教育の実践方法を検討し、参加型学習方法をワークショップで体験し、平和教育の授業案を作成して模擬授業を行うことを通して、平和社会形成の教育の内容と方法について修得する。 
授業の到達目標 国内外の平和教育が戦後どのように展開してきたかを理解する。諸外国の平和教育を比較分析することにより、日本の平和教育の特性を考察する。教育基本法が目的とする平和で民主的な国家および社会の形成者を育成する教育について考察しその教育方法の修得をめざす。 
授業計画
内容
1「オリエンテーション」 
本授業のねらいと概要を説明する。受講生とともに、平和と教育との関連について自由に意見を交換し、本授業に対して受講生が期待すること、また学習したいこと聴取する。 
2「平和教育研究方法」 
平和教育に対するアプローチ方法として、教育学的アプローチ、平和学的アプローチ、社会学的アプローチの比較を行い、社会科学的な研究方法の特徴を説明する。 
3「平和教育に関する法的規定」 
改正教育基本法における平和の記述、また戦後の学習指導要領における平和と教育に関する規定を歴史的に分析する。さらに平和と教育に関連する国際的な勧告文書における記述内容を分析する。 
4「基礎理論の理解」 
平和教育の概念構造、平和教育と国際理解教育、開発教育、人権教育、環境教育、地球市民教育などの近接教育領域との関係を整理し、平和教育の位置と関係性を説明する。 
5「学校外の平和教育」 
マスメディアや博物館などの学校外における平和教育機能の歴史的な展開を考察する。特に、日本各地にある平和資料館・博物館の展示内容について比較分析する。 
6「平和博物館への訪問」 
京都市内にある大学設置の平和博物館を訪問し、社会教育施設として博物館が行う平和教育実践の内容と方法を調査することにより、社会教育領域における平和教育の実際と可能性について考察する。 
7「平和教育の日英比較」 
日本および英国で、戦後から現在まで行われてきた平和教育実践について説明し、その展開過程と特殊性と、日英の平和教育の相互関連について比較分析する。 
8「平和教育実践の事例分析」 
平和教育実践について県レベルで行われた実態調査に基づいて、実証的なデータを用いて平和教育の実際について考察し、県レベルでの展開について分析する。 
9「平和教育の国際比較」 
外国の平和教育を文献により考察し、平和教育の実際について比較対照する。各国の平和教育に対して歴史、政治、経済、民族・宗教的な社会的要因がどのように影響を及ぼしているかを分析する。 
10「子どもたちの平和意識」 
日本の小中学生の平和意識を意識調査から分析しその歴史的変化を見る。また、日英の中学生の平和意識調査を比較考察し、平和意識を規定する社会的要因と平和教育の教育作用について分析する。 
11「教育方法について」 
教育現場で実際に行われている平和教育の方法について考察する。現在まで行われてきた平和教育の実践方法を子どもの自主性・創造性の視点から問い直し、平和教育の授業方法の改善方法を探る。 
12「参加型学習方法」 
受講生による参加型・交流型の授業方法としてワークショップを用い、参加型手法の用い方を研修する。あわせて、学校における平和問題へのアプローチ方法についての留意点を経験的に検討する。 
13「授業案の発表」 
本時までの講義や演習内容を基に、受講生が平和教育の授業を構想し、授業案として発表する。報告された授業案に対して質問・討議を行い、平和教育の内容の広がりや創造的方法について考察する。 
14「模擬授業の実施」 
受講生による授業案に基づいて模擬授業を実施する。模擬授業により新たな方法を試行し、または模擬授業を受けることで子どもの立場から平和教育方法を体感し、授業方法の改善方法を探る。 
15受講生は設定されたテーマに基づきレポート作成し報告する。
レポート報告を相互に行うことにより、平和教育についてのアプローチ方法の違いを認識する。 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 授業内で取り上げる文献や事例は担当教員が指定する。 
授業の形式  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席及び授業での報告や発表(70%)、修了ポート(30%) 
本授業に関する情報  
その他