科目情報
科目名 教育改革と教育行政・学校経営 
クラス − 
授業の概要 現在に至る教育改革は、地方分権、規制緩和を軸に国民社会の変容に対応する公教育システムの転換を図るものとして展開されてきている。保護者や地域住民のニーズに応えるべく「開かれた学校」「特色ある学校」を実現すべく「学校の自律性確立」が課題とされ、学校経営を自律的に担うスクール・リーダーの育成が求められている。教育改革の意味するものを明らかにし、自律的学校経営を確立するために必要な教育行政と学校経営の新たな関係を学校経営の立場からシミュレートする。 
授業の到達目標 今日に至る教育改革の全体像を理解させ、その中で教育行政や学校経営の改革がどのように展開されてきたのか、現在の到達点が何であり今後の課題をどう展望するのかを考察させる。 
授業計画
内容
1社会変化と教育改革の展開:情報化、国際化という社会変化、また東西冷戦構造の瓦解による国際環境と国内政治体制の転換を受けた1990年代以降の教育改革の展開を分析し、それが公教育とその経営システムの改革に焦点化されてきた要因を考察する。 
2分権改革としての教育改革:現在に至る社会運営システム改革の機軸とされてきた地方分権改革が公教育経営システムの改革としてどのような意味をもち、いかなる形で展開されてきたのかを整理し、現在の論点と今後の展開を検討する。 
3規制改革としての教育改革:分権改革と並んで推進されてきた規制改革について、学校選択や学校設置、また「教育特区」における種々の試みだけではなく、公教育経営改革における保護者や地域住民の参加システムの展開という面からも検討する。 
4受講生の課題別グルーピング:それまで3回の教育改革についての検討を総括し、それに基づく事例研究テーマの概要を提示し、次回以降の事例研究における担当ー発表のグループを決める。 
5教育行政改革の事例分析(1)ー国レベル:国ー文科省による教育改革のこれまでの展開を概括し、各領域における具体的な改革課題について、その特質や問題点、今後の在り方を担当グループが報告し、論議する。 
6教育行政改革の事例分析(2)ー都道府県レベル:都道府県・政令市における教育改革のこれまでの展開を概括し、事例府県・市を取り上げ各領域における具体的な改革課題について、その特質や問題点、今後の在り方を担当グループが報告し、論議する。 
7教育行政改革の事例分析(3)−市町村レベル:一般市町村における教育改革のこれまでの展開を概括し、事例市町村を取り上げ各領域における具体的な改革課題について、その特質や問題点、今後の在り方を担当グループが報告し、論議する。 
8学校経営改革の事例分析(1)ー教育課程経営改善:教育行政の地方分権化を受けて進められてきた学校経営の自律性確立の具体的在り方を4つの面から取り上げ検討する。その第一が「ゆとり教育」と併せて進められてきた教育課程編成ー経営の学校裁量の拡大であり、その具体例を分析する。 
9学校経営改革の事例分析(2)ー学校組織改善:第二の課題として、学校の内部組織改善があり、職員会議の制度化や教員職位の見直し等の国レベルの改革を受けて、教育課程編成や学校評価、校内研修や地域との連携についての校内組織の在り方を事例に則して検討する。 
10学校経営改革の事例分析(3)−保護者・地域住民の参加:第三として保護者・地域住民の参加があり、学校評議員や学校運営協議会の活動とそれによる学校経営の変容、また地域の人材活用や様々なリソースの学校への取り入れ等、先進的な事例を検討する。 
11学校経営改革の事例分析(4)ー学校評価・教員評価:学校経営の自律性確立に求められる学校の責任体制の確立を図るために、学校評価・教員評価の制度化、具体的な展開が進められてきたが、その実際の展開により、どのような学校改善が図られてきたかを、具体例の検討から考察する。 
12国と地方の新たな関係ーシミュレーション:現在の教育課題と教育行政制度から、教育の地方分権化をどのように進めることが必要かについて、国ー文科省と地方ー教育委員会との新たな関係を構築する具体的な法制度の改革としてシュミレートする。 
13教育委員会と学校の新たな関係ーシミュレーション:現在の学校教育課題と学校経営実態から、学校の自律性確立をどのように進めることが必要かについて、教育委員会と学校との新たな関係を構築する具体的な法制度の改革としてシュミレートする。 
14まとめー発表と討議:教育行政改革、学校経営改革の在り方についてのそれまでの多面的な検討を総括するため、各グループのまとめの発表を行い、それについての討議を行う。 
15受講生各自がまとめたレポートを発表−報告し、担当教員のコメントを踏まえ、本科目全体についての受講生個々が得られた成果について確認する。 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 堀内孜編『地方分権と教育委員会』全3巻、2000/2001、ぎょうせい 
授業の形式  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席(30%)、事例研究発表(40%)、終了時のレポート(30%) 
本授業に関する情報  
その他