科目名 |
英文法A |
クラス |
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授業の概要 |
本年度の授業では、英文法に関する重要なテーマの中から、特に動詞の意味と構文交替現象についての講義と演習を行う。近年の理論言語学(認知言語学、生成文法の概念意味論など)による研究成果について講義し、その内容を十分理解することを目指す。文法現象の観察、記述だけでなく、体系的かつ整合性の高い説明を目指すとともに、出来れば、近年の言語学研究によって発掘された知見を英文法教育にどのように還元することができるかという問題についても考察したい。 |
授業の到達目標 |
本講義では、英語の与格交替(dative alternation)、所格交替(locative alternation)、動能交替(conative alternation)など、動詞の構文選択および構文交替現象をテーマとして取り上げ、「構文」とは何かという問題についても切り込んでいく。また、構文交替の習得研究から、言語と思考あるいは言語を通して見えるヒトの本性(human nature)というテーマにも迫り、受講生には本テーマについて考察する機会としたい。 |
授業計画 |
構文交替現象について講義するとともに、文献購読を行う。海外の学術雑誌 Cognition に掲載された古典的な論文 Mazurkewich and White (1984) とPinker(1989,2007)等の文献を取り上げる。 |
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 |
教科書: 中島平三(編)(2009,近刊)『言語学の領域(I)』、東京:朝倉書店. 理論言語学の入門書。予習復習のみならず、机辺において熟読してもらいたい。
講義資料(英文): プリントにして配布する。
参考文献: Mazurkewich, I., and L.White (1984). The Acquisition of Dative Alternation: Unlearning Overgeneralizations. Cognition 16, 261−283. Pinker,S.(2007). The Stuff of Thought: Language As a Window into Human Nature. Viking Press.
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授業の形式 |
授業は講義と演習で進める。特に演習では、報告者による口頭発表を中心に文献の購読を行う。随時、文献の内容についての要約等の課題提出を求める。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
学期末試験(50%)、レポート等の課題提出(30%)、口頭発表など授業への参加態度(20%)を成績評価の基準とする。 |
本授業に関する情報 |
毎回、当然のことながら、受講者による十分な予習を前提に授業を進める。したがって単位修得には相当な努力と熱意が必須。 |
その他 |
有益な文法知識の習得にとどまらず、言語学の基本的な考え方も体得してもらいたい。 |