科目情報
科目名 英語学演習B 
クラス − 
授業の概要 本授業は、英語学の専門領域に切り込み、概念意味論及び認知文法の最新の研究成果を学ぶことを主目的とする。具体的には、次の2点が概要である。
1.認知科学者・進化心理学者 S. Pinkerの「言語と思考」をテーマとする研究の中から、代表的な文献を取り上げ、演習形式で購読する。特にPinker(1989,2007)に重点を置き、Pinkerの意味論の世界を理解する。
2.認知文法の提唱者 R. Langackerの最新書 Cognitive Grammar を取り上げ、認知文法の基本を理解するとともに、用法基盤モデルや構文文法の妥当性についても検証したい。 
授業の到達目標 1.Pinker(1989)の仮定する連結規則と語彙(広域・狭域)規則についての理解を踏まえ、その問題点と今後の課題について検討するとともに、Pinker(2007)の意味論研究を学ぶ。
2.Langacker(2008)を熟読し、認知文法の最前線を理解すると共に、認知言語学の隣接領域である構文文法の妥当性について受講者各自が何らかの評価を加えることができる程度に研究する。
3.Pinker,Langackerの理論が言語習得理論として妥当なものであるかを検証する。 
授業計画 初回の授業は導入として概念意味論について講義する。第2週目以降、Pinker(2007)、Langacker(2008)を中心的に取り上げ、併せてそれに関連する文献を購読する。受講者には課題提出と口頭発表(レポーター制)を求める。 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 以下の文献を主要参考文献とし、必要に応じて適宜、関連論文を取り上げる。
Goldberg,A.(2006). Constructions at Work. Oxford University Press.
Langacker,R.(2008). Cognitive Grammar−A Basic Introduction. Oxford University Press.
Pinker,S.(1989). Learnability and Cognition. MIT Press.
Pinker,S.(2007). The Stuff of Thought: Language As a Window into Human Nature. Viking Press.
谷口一美 (2004). 『事態概念の記号化に関する認知言語学的研究』、東京:ひつじ書房.
山梨正明(編)(2009,近刊)『言語習得と用法基盤モデル』、東京:研究社 
授業の形式 講義と演習。受講生には、英文の要約等を中心とする課題の提出を求める。また、レポーターには英文の内容を要約し、その内容についての口頭発表を求める。授業では、正確な内容理解を目指すとともに、可能な限りの関連論文の多読に努める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 学期末試験・学期末レポートの内容(50%)、毎回の課題提出(30%)、口頭発表など授業への参加態度(20%)を学期末の成績評価の基準とする。 
本授業に関する情報 毎回、相当な分量の英文を読み、その内容について検討を加えることになるので、そのつもりで履修されたい。課題提出と口頭発表の準備に相当な勉強と準備を要することが予想される。単位修得には相当な熱意と努力が必須である。覚悟して履修されたい。 
その他