科目名 |
書学特講 |
クラス |
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授業の概要 |
書作が技芸である以上、技の不断の鍛錬が求められることは言うまでもないが、技法の鍛錬だけで良い作品ができるわけではない。技を磨くと同時に感性を大いに養う必要があろう。それには様々な名筆と触れ合うことが必要不可欠と言える。それは、正に感動と共に勝れた個性と出合い、そこから何がしかを学び取る営為であると言える。 書の場合、名筆といっても、肉筆だけではなく、拓本や法帖といったものも含まれる。それらは、それぞれに固有の美と成り立ちを持っており、美に触れるといっても、ことはそう簡単ではなく、それなりに基礎知識を身につけておく必要がある。 本講義ではそうした基礎知識を身につけ、書の鑑賞の眼を養ってもらいたい。その結果、書に対する魅力も深まり、実作にも大いに反映されるにちがいない。 |
授業の到達目標 |
書法鑑賞に必要な、肉筆に関る、書写媒体・装丁・文体といった知識。拓本では、装丁・拓調・拓の新旧・原刻か翻刻か・拓本の種類など。更に、法帖の歴史とその性格・写経の形式とその性格・印譜の形式といった点も知ってもらいたい。合わせて、歴代名家の概略とその代表作についても頭に入れてもらう。 |
授業計画 |
1週 書写媒体(紙・絹)、装丁形式(立軸・巻子・額)、印章 2週 同上 3週 文体(本文・序・跋・識語・賛・箱書) 4週 同上 5週 拓本装丁(整本・剪装本)、拓調と拓の新旧、刻の違い(原刻・翻刻) 6週 同上 7週 拓本の種類(碑・墓誌・碣・摩崖・造像紀・?・瓦當・青銅器・硯譜など) 8週 同上 9週 同上 10週 実地見学会 11週 法帖の歴史 12週 同上 13週 写経の種類 14週 同上 15週 印譜
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テキスト・参考書及び自学自習についての情報 |
テキストとして『中国書人名鑑』(鈴木洋保他共編、二玄社)を用いる。書の鑑賞を深め、より楽しむためにも、歴代の主な名家の人物像とその代表作を知っておくことは欠かせない。コンパクトではあるが、多くの図版を載せ、歴代の名家をほぼ網羅している。そのほか適宜、プリントを配布する。
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授業の形式 |
講義形式をとるが、その都度、学生に考えや印象を発言してもらい、一方的な講義にはならないようにしたい。またできるだけ所蔵の実物資料を見せ、体験的に理解を深めてもらいたい。現地見学会もおこなう。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
期末テスト(50%)、レポート(30%)、出席(20%)により総合的に評価する。 |
本授業に関する情報 |
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その他 |
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