科目情報
科目名 美術史特論I 
クラス − 
授業の概要  本講のテーマは古代アジアの仏教美術とし、「仏像と荘厳」の観点から作品を読み解いていく。
仏像は単独の彫刻として存在するのではない。仏身の荘厳にはじまり、光背・台座・天井・柱などの堂内荘厳、瓦に代表される堂外荘厳。エネルギーにあふれた聖なる空間の中心にあって、仏像は尊像としてのパワーを得る。従来、切り離して研究対象とされる傾向の強かった仏像と荘厳を一体のものと捉え、インドから日本までの変容のさまを追う。 
授業の到達目標  彫刻・絵画・工芸・建築という文化財的枠組みや、インド・中国・韓国・日本という地域的枠組みを取り払い、「古代アジアにおける仏像と荘厳」の切り口から、仏教美術を見直す試みである。従来の枠組みから離れたときに見えてくる世界を体験してほしい。 
授業計画
内容
1オリエンテーション 
2仏教美術のはじまり―ストゥーパの荘厳1― 
3仏教美術のはじまり―ストゥーパの荘厳2― 
4グプタ期の荘厳空間 
5広義での蓮華化生世界1 
6広義での蓮華化生世界2 
7グプタ式唐草から宝相華文へ 
8光背と台座 
9宝冠の世界 
10平等院鳳凰堂の荘厳空間 
11古代中国における「氣」の世界とその造形化1 
12古代中国における「氣」の世界とその造形化2 
13「霊木化現仏」の諸相1 
14「霊木化現仏」の諸相2 
15新しい仏教美術研究への提言 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 安藤佳香『佛教荘厳の研究―グプタ式唐草の東伝―』(2003年、中央公論美術出版社) 
資料は必要に応じてプリントを配布する。 
授業の形式  スライドを多用した講義形式を中心とするが、最終日には受講生による研究発表を予定している。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  講義への参加30% 発表30% レポート40% 
本授業に関する情報  受講予定者は各人の興味に従って古代アジアの仏教美術の作例を選び、それについての口頭発表の準備をしておいて下さい。(造形を読むという観点を意識すること) 
その他