科目情報
科目名 地球的視野を育成する授業の構想と課題 
クラス − 
授業の概要 地球的視野を育成するための代表的な教育形態である「国際理解教育」と、関連領域である「グローバル教育」「開発教育」を取り上げ、それらの歴史的展開と現状を踏まえて、基本理念や授業化の視点を概説する。事例研究として、「文化理解重視型」「課題解決重視型」「交流重視型」「体験重視型」「歴史認識重視型」の5つのアプローチによる実践事例を分析し、それぞれのタイプの長所・短所について検討をする。さらに、参加型学習などの新しい教育方法についての基本的考え方を解説するとともに、事例研究をを通して、実践上の課題をさぐる。これらを踏まえ、地球的視野を育成するための授業モデルを作成し、受講生相互の検討により、授業モデル案の修正を行っていく。 
授業の到達目標 地球的視野を育成するための代表的な教育形態である「国際理解教育」と、関連領域である「グローバル教育」「開発教育」を取り上げ、その基本理念や授業化のための課題を理解するとともに、様々なアプローチによる授業実践例と、新しい教育方法の検討を通して、当該領域の授業を企画・組織し、実践していく力量を形成する。 
授業計画
内容
1イントロダクション―地球的視野の育成が求められる背景と授業―
本科目の位置づけや全体構想、獲得目標等について説明を行う。地球的視野の育成が求められる背景、学校の中での実践の方法や課題、実践のために教師に必要となる力量などについての解説を行う。 
2国際理解教育の基本原理と授業化の課題I
「国際理解教育」について、ユネスコの活動を取り上げながら、その成立背景や基本原理、近年の「平和の文化」や「持続可能な開発のための教育」などについて概観していく。また、我が国における国際理解教育の展開と現在の状況、授業化の課題について解説を行う。 
3国際理解教育の基本原理と授業化の課題II
関連領域として「グローバル教育」「開発教育」を取り上げ、その史的展開や基本原理、授業化の課題などについて解説を行う。また、文部科学省「初等中等教育における国際教育推進検討会」での検討内容等を踏まえ、国際理解教育、グローバル教育、開発教育が現在の学校教育の中で、どのように展開されようとしているのか解説していく。 
4文化理解重視型授業の実践と課題
ここでは、「文化理解」を重視する代表的な授業実践例を取り上げ、教育内容や学習方法の特質やその限界について、多角的に検討し、当該型の授業を構想・実践するための諸課題を明らかにしていく。 
5課題解決重視型授業の実践と課題
ここでは、地球規模の、または地域の「課題解決」を重視する代表的な授業実践例を取り上げ、教育内容や学習方法の特質やその限界について、多角的に検討し、当該型の授業を構想・実践するための諸課題を明らかにしていく。 
6交流重視型授業の実践と課題
ここでは、地域の外国人や姉妹校などとの「交流」を重視する代表的な授業実践例を取り上げ、教育内容や学習方法の特質やその限界について、多角的に検討し、当該型の授業を構想・実践するための諸課題を明らかにしていく。 
7体験重視型授業の実践と課題
ここでは、修学旅行などによる諸外国をし直接「体験」したり、国際協力活動を「体験」することを重視する代表的な授業実践例を取り上げ、教育内容や学習方法の特質やその限界について、多角的に検討し、当該型の授業を構想・実践するための諸課題を明らかにしていく。 
8歴史認識重視型授業の実践と課題
ここでは、「歴史認識」を重視する代表的な授業実践例を取り上げ、教育内容や学習方法の特質やその限界について、多角的に検討し、当該型の授業を構想・実践するための諸課題を明らかにしていく。 
9国際理解教育と新しい教育方法I
国際理解教育の実践において用いられることが多い新しい教育方法として、シミュレーション、ロールプレイ、参加型学習などを取り上げ、その基本的な考え方や実践方法、および国際理解教育の授業実践にとっての意味について解説をしていく。 
10国際理解教育と新しい教育方法II
シミュレーション、ロールプレイ、参加型学習などを用いた代表的な国際理解教育の実践事例を取り上げ、学習の方法や学習形態という観点を中心に分析をすすめ、新しい教育方法を組み入れた授業実践を構想する方法について検討していく。 
11地球的視野を育成する授業モデルの開発I
講義内容を踏まえ、地球的視野を育成するための授業モデルを開発する。その際、事例研究で取り上げた観点から2つ以上を取り上げて、それらを組み合わせた授業モデルの開発を行う。ここでは、受講生の個人学習を基本とする。 
12地球的視野を育成する授業モデルの開発II
講義内容を踏まえ、地球的視野を育成するための授業モデルを開発する。その際、事例研究で取り上げた観点から2つ以上を取り上げて、それらを組み合わせた授業モデルの開発を行う。必要に応じて、関係機関(国際交流や国際協力を行うNGO/NPO、市役所、博物館など)へ教材開発のためのフィールドワークを実施する。 
13地球的視野を育成する授業モデルの開発III
受講生各人が開発した授業モデルを少人数のグループの中で発表し、相互に検討することを通して、自らの授業モデルを修正・改善していく。 
14地球的視野を育成する授業の構想と課題I
講義のまとめとして、国際理解教育を中心とした地球的視野を育成する授業の構想するための課題、近年の児童生徒の国際認識・国際感覚の状況、教師に求められる資質等、講義の中で重要なポイントとなったテーマについての討論を行う。 
15地球的視野を育成する授業の構想と課題II―講義のまとめ―
講義のまとめとして、国際理解教育を中心とした地球的視野を育成する授業の構想するための課題、近年の児童生徒の国際認識・国際感覚の状況、教師に求められる資質等、講義の中で重要なポイントとなったテーマについての討論を行うとともに、15回の講義のまとめを行う。 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 <テキスト>
テキストは、とくに指定しない。
<参考文献(以下の文献以外は講義の中で、適宜指示する)>
米田伸次ら『テキスト国際理解』国土社 堀尾輝久・河内徳子編『平和・人権・環境 教育国際資料集』青木書店
日本ユネスコ国内委員会編『国際理解教育の手引き』東京法令出版 野中春樹『生きる力を育てる修学旅行』コモンズ
開発教育推進セミナー編『新しい開発教育のすすめ方』古今書院 大津和子『グローバルな総合学習の教材開発』明治図書 
授業の形式  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 出席、討論への参加の積極性と課題の遂行度、講義内容の理解度、授業案及びレポートなどを総合的に評価
配点:出席・討論を5割、授業案及びレポートを5割とする。 
本授業に関する情報 特記事項無し 
その他 なお、受講生数によっては、受講生と相談のうえで、授業計画を修正することがある。