科目情報
科目名 地誌学概論 
クラス − 
授業の概要 農業の地域的差異は、各地の自然環境および、人口密度や歴史的背景、あるいは消費地との位置関係や交通システムなどの人文環境の違いから生じている。日本各地からさまざまな農業地帯を選定し、それぞれの農業の成り立ちを概説していく。 
授業の到達目標  1)日本農業の変遷と地域的差異を理解する。
 2)日本農業の地域的性格の学習を通して、自然・人文環境と人間活動の関係を理解する。 
授業計画
内容
1はじめに(地誌学とは) 
2日本農業の特色と歴史(近世以降:「米と繭」の時代から、「食糧輸入大国」までの変遷) 
3十勝平野の酪農(いくらがんばっても米はとれないし、消費地から遠い。どうしよう?) 
4石狩川流域の稲作(生協のご飯は石狩川流域で生産された米です) 
5寒冷地の稲作環境(不思議なことに日本では熱帯性作物である稲の主産地が積雪地帯である) 
6東北地方内陸盆地の果樹農業(バナナと柑橘類以外はまかせて。なぜ、果樹王国となったのか?) 
7関東平野の近郊農業(関東平野は意外にも農業の核心地帯。東京の台所) 
8信州と甲州の農業(長野といえばリンゴ。山梨といえばブドウ。両県ともに内陸県) 
9東海地方の農業(静岡県といえばお茶とみかん。愛知県も意外と農業先進県) 
10近畿の農業(古くは日本農業の先進地域。今は全国最低レベルの農業地域) 
11鳥取の砂丘農業(砂丘は水さえあれば農業にむいている) 
12高知平野の暖地農業(二期作から輸送園芸へ。京都付近でピーマン畑を見たことがあるか?) 
13南九州の畜産と畑作(熊本の馬刺、鹿児島の黒豚、宮崎は地鶏。芋焼酎も旨い) 
14南西諸島のサトウキビ農業(日本では最も温暖であるにもかかわらず、稲作は不振。なぜだ?) 
15期末試験 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報 テキスト:『詳解現代地図帳』(二宮書店)¥1,600
参考書:藤岡謙二郎・浮田典良・足利健亮・青木信好・高橋誠一 著「日本地誌」大明堂 
授業の形式 講義 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 小テスト(30点=1回15点満点を2回)、通常点(20点)、期末試験(50点)の合計点で評価する。小テストは持ち込み不可とするので、復習や質問等によって理解を深めておく必要がある。また、期末試験はノート、地図帳、配布資料の持込を可とするが、詳細な内容を要求するので、ノートのとり方には特に工夫を心がけること。板書の転記にとどめていてはテストに対応できない。 
本授業に関する情報 なし 
その他 自然環境そのもの(特に気候や地形)については「自然地理学」で概説する。