科目情報
科目名 教育改革と高校教育 
クラス − 
授業の概要  今や、国民的教育機関となった高等学校は、多様化する生徒対応のため、中教審以来、単位制高校導入、総合学科設置、中高一貫校導入など図られたものの、専門学科の関連分野への就職率の低さ及び大学等への進学率向上、進学も就職もしない者の増加、依然として存在する中退、不登校問題など、様々な矛盾を抱えている。こうした高校教育の現状と、高校教育改革の関連を議論の中心テーマとして、入口論として、入学者選抜制度、教育課程改革など、出口論として、大学入試制度、高大連携などの観点から、フィールドワークや事例分析を通じて、今後の高校教育の在り方についてアプローチする。 
授業の到達目標 入学する生徒の多様化に対応するために進められる、国、地方の教育改革と、実施側にある高校教育の現状から、その課題と展望をフィールドワークや事例分析を通じて、今後の高校教育の在り方についてアプローチすることにある。 
授業計画
内容
1 オリエンテーション 
 科目の概要、到達目標、授業の進め方について説明する。 
2 高校教育の理念と展開
 中等教育の延長上としてみる高校教育と、1946年3月の米国教育使節団による報告書に提言されている新設高校教育の理念を踏まえ、その歴史的経過を概観しながら、その変容と現状から、高校教育の基本的問題を考える。 
3 高校教育改革
 昭和23年4月の新制高校発足から、今日までの高校教育改革の変遷を辿りながら、その改革理念についても、考察する。 
4 事例分析1 「京都のいわゆる高校3原則」の理念、実践と課題
 京都の高校3原則は、新設高校発足当初から、昭和59年まで存続した。この高校3原則の意義について考察する。又、教育実践においては、総合制の取組みとして、普通科・商業科のミックスホームルーム、ミックス授業、高校生徒会の自主活動と高校生討論集会などを概観する。そして、この制度に孕む問題についても考察する。 
5 事例分析2 「京都の新高校教育制度」の意義、現状と課題
京都府は、昭和53年以来制度改善について検討を行い、新高校教育制度は、昭和60年4月から発足した。この制度改善は、高校サイドからの選抜から、中学校サイドからの選択と継続性、への改善といわれ、その後、高校教育改革とともに、制度改善が展開された。この制度改善とそれに伴う高校の変容を概観し、課題と今後の在り方について考察する。 
6 高校教育課程改革
新制高校発足当初には、単位制の導入、進級・卒業要件など明示され、普通課程と職業課程が設置される。以後、現在に至るまで、その背景、改革理念を含めて、教育課程改革について、概観する。 
7 編成原理と教科論
 必修科目の構成、教科内容の配列、順次性、さらに、教科観などから、高校教育課程の編成原理につて考察する。 
8 教育政策の現状と課題
 地方教育委員会の高校教育の教育政策、とりわけ、京都府教育委員会の高校教育の教育政策について、その政策予算、政策プロセス、アウトカムに至るプロセスを踏まえ、その現状と課題について、考察する。又、次回のフィールドワークについて、事前説明を行う。 
9 フィールドワーク(教育委員会)
 9回と10回の2講時は、教育委員会を対象とするフィールドワークとする。又、高校教育行政に携わったゲスト・スピーカーによる「京都の高校教育行政の現状と展望」の講義を予定している。 
10 フィールドワーク(教育委員会)
 9回の内容と同じ。 
11 フィールドワークのまとめと以後のテーマの事例分析の準備
 フィールドワーク、ゲストスピーカーなどのまとめと、以後のテーマについて、グループ別事例分析の詳細について、説明する。 
12 事例分析A「高校教育改革」
 各高校における、単位制高校制度、総合学科の設置、学校外学修の単位認定及び中高一貫教育制度などの取組みについて、その特質と課題を考察する。 
13 事例分析B「教育課程と類・類型、コース制」
 各高校の教育課程編成と類・類型、コースとの相関を分析し、その特質と課題を考察する。 
14 事例分析C「地方教育委員会の高校教育政策」
 地方教育委員会が高校教育についての改革課題とその教育政策について、その特質や今後の在り方について考察する。 
15 本講座のまとめ 
 
テキスト・参考書及び自学自習についての情報  その都度、推薦する。 
授業の形式  講義、事例研究、FW、プレゼンテーション、ディスカションなどによる展開 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 参加意欲20%、事例分析のプレゼンテーション30%、レポート50% 
本授業に関する情報  特にない。 
その他