科目名 |
地理学 |
クラス |
− |
授業の概要 |
我々は地球の形や大きさを知っている。人工衛星を打ち上げ、宇宙から地球の姿を見ることもできる。しかし、かつては、地球の全体像を知ることは至難の業であり、先人達は頭脳と忍耐と勇気を振り絞ってこの問題に取り組んできた。その過程で、経度と緯度の概念が編み出され、現在のような時計が発明され、メートル法があらわれ、世界地図が描かれてきた。また、新たな世界の発見を目指して海洋に乗り出した航海者達は風系や海流に制約されながら、新大陸を発見し新航路を開拓してきた。本授業では、これらの経緯と、惑星風や海流に係わる地理学的諸現象について紹介する。 |
授業の到達目標 |
地球の大きさや形を知るための先人達の苦労と英知を理解する。また、地球を取巻いて流れる惑星風や海流の存在、及びそれらの人間活動への影響を知る |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | はじめに(授業内容の概略と受講の際の注意事項) |
2 | 古代から中世までの地球の形と大きさに関する考え方、計算方法 |
3 | 中世の温暖期とその後の寒冷化 |
4 | 大航海時代(コロンブスは地球の大きさを小さく見積もって“インド”に向かった) |
5 | 一度の長さとメートル法(1m=子午線の長さの1千万分の一) |
6 | オーストラリアの発見1(豪州がなかなか発見されなかった理由 |
7 | オーストラリアの発見2(キャプテン・クックの航海) |
8 | 世界地図の表現方法(小縮尺の地図の概略) |
9 | 世界の漁場(大漁場の成立要因) |
10 | ペルーの漁業(寒流魚「アンチョベータ」漁) |
11 | エル・ニーニョ(エル・ニーニョはスペイン語で「小さな男の子」という意味) |
12 | エル・ニーニョ現象と南方振動 |
13 | 日本の沿海文化1(黒潮文化) |
14 | 日本の沿海文化2(青潮文化) |
15 | 日本の文化圏 |
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テキスト・参考書 |
テキスト:『詳解現代地図帳』(二宮書店) 参考書:鈴木 秀夫 著『森林の思考・砂漠の思考』NHKブックス;『風土の構造』、『超越者と風土』大明堂 安田 喜憲 著『気候と文明の盛衰』、『日本文化の風土』朝倉書店 和辻 哲朗 著『風土』岩波文庫 ジャレッド・ダイアモンド 著(倉骨 彰 訳)『銃・病原菌・鉄』(上・下)草思社 |
自学自習についての情報 |
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授業の形式 |
講義 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
小テスト(30点=1回15点満点を2回)、通常点(20点)、期末試験(50点)の合計点で評価する。小テストは持ち込み不可とするので、復習や質問等によって理解を深めておく必要がある。また、期末試験はノート、地図帳、配布資料の持込を可とするが、詳細な内容を要求するので、ノートのとり方には特に工夫を心がけること。板書の転記にとどめていてはテストに対応できない。 |
その他 |
自然環境そのもの、特に気候や地形に興味のある者は「自然地理学」を受講することを薦める。 |