科目名 |
哲学概論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
◎これは、哲学に関心のある学生に、また、「教職科目として」履修する学生に、「哲学することの基本」が身につくように工夫された授業です。そうはいっても、「哲学って、何?」という人のほうが多いでしょう。いまは、それで問題ありません。また、君が「哲学ってこういうことだよね」と思っていても、それは誤解かもしれません。先入観をもたずに、おもしろそうな気がするから、試しに「哲学すること」にチャレンジしてみようという気もちで参加してもいい。きっと、これまでの生活であまり経験したことがない時間になるだろう。シラバスの「授業計画」の欄に、「哲学(すること)」の特徴をふたつだけ記すので、参考にしてください。
◎テキストは使用せず、映像資料(映画、テレビドラマなど)や読書資料(「入門的な」哲学書の一部、「古典」と言える哲学書の一部など)を活用する機会が多い。「教師が概説するのをただ聞いて板書を写す」というような時間が多い授業ではない。 |
授業の到達目標 |
◎「社会(法・政治・経済など)・倫理」、「科学・技術」、「言論・文芸」、「教育」、「笑い」、「コミュニケーション」などに関して(まずは基礎的なレベルで)「哲学的に」考え、話し合い、表現することができるようになる。
◎どのようにして「映像資料(映画、テレビドラマなど)」や「読書資料」を解釈するか、その重要な点を知り、自分でそれを実践できるようになるとともに、ほかのひとに(まずは基礎的なレベルで)助言できるようになる。
◎「現在の日本の社会や教育において、哲学することはどのように生かされるか」ということについて、君自身のアイデアを明確にする。 |
授業計画 |
◎「哲学って、何?」‥‥「哲学(すること)」の特徴から、ふたつだけ紹介しよう。
1 哲学が重視することのひとつは、君が「あたりまえ」や「しかたない」と思っていることについて、「ほんとうにそうか」・「なぜか」・「ちがう見方はできないか」などといろいろ徹底的に考えてみることです。その意味で、哲学することは「多様な」そして「自由な」知的行為だと言えるでしょう。
2 大学で学ぶ学問にはふつうその学問ごとに取り上げられる「分野・領域の制限」があります。たとえば法学は「法」を、経済学は「経済」を、芸術学は「芸術」を、環境科学は「自然環境とそれに関する科学・技術」を、おもに扱います。しかし、哲学には、特定の分野・領域をおもに扱わねばならないという制限がありません。例を挙げましょう。すなわち、「社会の哲学」、「科学の哲学」、「芸術の哲学」、「笑いの哲学」など、多種多様な「‥‥を哲学すること」があると思えばよいのです。その意味でも、哲学することは「多様な」そして「自由な」知的行いです。
◎各回の授業内容(順不同)については、下記の表を見てください。また、「よい言論」、「コミュニケーション」、「哲学することの教育」、「映像資料から哲学すること」や「哲学書を読むこと」は(ある回の授業だけでというのではなく)適宜授業で取り上げます。最後に。「哲学すること」には、たんに受身でいるのではなく、能動的に「考える」姿勢が欠かせません。したがって、その単位取得には、「積極的な授業参加をつづけること」、「復習・課題への熱心な取り組み」などが求められます。
回 |
内容 |
1 | ガイダンス。 |
2 | 身近なことから哲学することをはじめよう |
3 | 政治や倫理に関して哲学する −−−たとえば「〈不平等でも、正しいことがある〉とはどういうことか」 |
4 | 政治や倫理に関して哲学する−2 |
5 | 政治や倫理に関して哲学する−3 |
6 | 科学に関して哲学する −−−たとえば「〈科学的に〉研究を進めるとはどういうことか」 |
7 | 科学に関して哲学する−2 |
8 | 調整日 |
9 | 映画とともに哲学する |
10 | 映画とともに哲学する−2 |
11 | 学生の困難とその克服について、参加者どうしで考える |
12 | 学生の困難とその克服について、参加者どうしで考える−2 |
13 | 文芸(文学、レトリック、悲劇・喜劇など)に関して哲学する −−−たとえば「論理的なこと・科学的なことだけが〈哲学〉にとって重要なのか」 |
14 | 文芸(文学、レトリック、悲劇・喜劇など)に関して哲学する−2 |
15 | 「自由な社会」における「教育」・「評価」・「規制」を考える |
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テキスト・参考書 |
テキストは指定しない。 ただし、しばしば「読書資料」を配布する。その際、十分に予習・復習してのぞむこと。 |
自学自習についての情報 |
授業内で、そのつど、参考書や自学自習の情報もどんどん提供する。積極的にそれらに取り組んでほしい。 |
授業の形式 |
「講義形式」です。ただし、授業に参加する人がただ受身でいるような授業ではなく、「映像資料」や「読解資料」もたくさん活用し(「人の話を聞き、自分の意見を述べる」グループワークを行うこともあるかもしれない)、具体的かつ理論的に「哲学すること」に取り組めるように工夫します。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
◎平常成績(60点)、試験成績(40点)により、総合的に評価する。
◎平常成績は、「授業参加の積極性」、「小テスト、課題などによってはかられる理解度・表現力」をもとに評価する。
◎「小テスト」、「課題」などの通知は授業内だけで行うので、継続的な授業参加はその意味でも重要です。
◎試験成績は、学期末試験の結果をもとにする。 |
その他 |
継続的で、積極的な授業参加を望みます。また、ただ毎回座っていればそれだけで単位がとれて当然だとか、授業中の私語や授業と関係のない用事などに厳しく対処されるのは嫌だとか思う学生は、この授業に合わないと思います。その点では、はっきり言って厳しい授業です。 とはいえ、上記のことが守られれば、(実際には受講を通して判断してもらうしかないけれど)基本的に、親しみやすく、ていねいで、おもしろい、そんな授業でありたいと思っています。 |