科目情報
科目名 教育法規の適用と課題 
クラス − 
授業の概要 学校経営の基盤としての教育法規を実際の経営活動に照らして分析し、その適応の在り方を中心に実際の問題を事例として検討する。具体的には組織編制、意思決定、教育活動また教職員人事、施設設備管理や学校の危機管理、経営参加等について、これまで学校で対応を必要とした事例を取り上げ、その根拠法規の分析とその法的解決策を検討する。 
授業の到達目標 学校経営に必要な教育法規に関する知識を習得させるだけでなく、教育と法、経営と法の基本的な関係について理解させるとともに、法的思考力を身につけさせる。 
授業計画
内容
1全体概要・オリエンテーション:本科目の全体概要を示し、事例研究を中心とする授業の進め方や受講生の授業参加について説明する。あわせて、教育法規を学ぶ意義、法的思考力の必要性について検討する。 
2講義―教育法規の全体構造と教育基本法規:教育法規を理解する基本的枠組を提示し、教育実体を扱う実体法規と教育実体の条件を扱う条件整備法規との関係を軸とする教育法規の全体構造を明らかにする。その上で、憲法、教育基本法等の教育基本法規についてその特質と論点について検討する。 
3受講生の課題別グルーピング:以降の法規分析―事例研究について、各領域の特徴を示し、分析の視点や課題を明らかにして担当する受講生のグループを編成する。 
4事例研究―教育委員会と学校・校長の権限関係:地方教育行政の組織及び運営に関する法律、学校管理規則、学校教育法などの法規分析と受講生の学校における事例分析を通して、学校経営の自律性がどのように課題とされているかを検討する。 
5事例研究―教育課程編成:教育基本法、学校教育法、学習指導要領という教育課程編成の目標系列の法規と、学校教育法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、学校管理規則等の編成権限に関する法規とを併せて、教育課程編成に関する法的諸問題やこれまでの論議を整理し、係争事案に関する判例分析を通して事例研究を行う。 
6事例研究―児童・生徒の在学関係:児童・生徒の在学関係に関するこれまでの学説、判例の分析を通して、その法的課題について検討を行う。 
7事例研究―児童・生徒の安全管理:児童・生徒の安全を守る学校・教職員の法的責任について、学校事故をめぐる過去の判例の分析などを通して事例研究を行う。 
8事例研究―生徒指導:児童・生徒に対する懲戒など生徒指導に関わる法的根拠とその権限の行使の限界について、過去の判例の分析などを通して事例研究を行う。 
9事例研究―教職員の服務義務と処分:地方公務員法、教育公務員特例法など教職員の管理に関わる法規を整理し、服務義務や処分に関して具体的事例の分析を通して法的課題について検討する。 
10事例研究―教職員の勤務条件:労働基準法などの国の法規や条例など勤務条件に関する法規を整理し、勤務条件に関する具体的事例の分析を通して法的課題について検討する。 
11事例研究―学校の職制・内部組織と意思決定:主幹教諭等の「新しい職」の設置も含め、管理職等の職務権限や相互関係についての事例や職員会議の運営等、学校の意思決定についての事例からその法的問題を検討する。 
12事例研究―保護者・地域社会と学校:保護者や地域住民の学校への関わりについて、その法的根拠や制度を整理するとともに、保護者や地域住民と学校、教員とのトラブルなどの問題事例の分析も通じて両者の法的関係を検討する。 
13講義―学校の法的責任と今日的課題:これまでの事例研究を総括し、学校の設置、管理運営に関わる法的諸問題を整理し、今日的課題について検討する。 
14まとめ―発表と討議:これまでの教育行政や学校経営に関する法的課題についての多面的な検討を総括するため、各グループのまとめの発表を行い、それについての討議を行う。 
15受講生各自がまとめたレポートを発表−報告し、担当教員のコメントを踏まえ、本科目全体についての受講生個々が得られた成果について確認する。 
 
テキスト・参考書 (参考図書)『教育六法』三省堂 
自学自習についての情報 事前に、参考文献等を基に予習をしておくこと。発表の場合には、1週間前までに、相談に来ること。
事後には、毎回、学んだことを整理し、法的な観点から、自分の考えをまとめること。 
授業の形式 講義及び演習(受講生による報告・発表) 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業での発言等(30%)、事例研究発表(40%)、終了時のレポート(30%) 
その他 特記事項なし