科目情報
科目名 学校評価と教員評価の設計と展開 
クラス − 
授業の概要 学校の「自律性」の確立にとって学校評価や教員評価の導入が不可欠とされ、その制度的整備が進められてきた。しかしながら今なお多くは行政モデルの適用にとどまっており、各学校の経営改善に結実しているとは言えない。そこで本授業は、学校評価と教員評価の実践的に展開することをゴールにして、両者を構造的に理解するとともに、先行モデルを事例分析、受講生の勤務校の実態から、自校に適用できる「自校モデル」の開発を進める。 
授業の到達目標 学校改善のために求められる学校評価や教員評価に関して、構造的な認識を持てるとともに、その実施に際しての具体的なフレームや内容・方法を、参加者の勤務校の状況に即して構想できるようになること。 
授業計画
内容
1オリエンテーション:本科目の全体構造を示し、参加者の勤務校での学校評価や教員評価のありようについて振り返る。また事例研究やシミュレーションの提示方法について説明を行う。 
2学校経営改善と学校評価・教員評価の位置:学校経営改善にとって学校評価や教員評価がどのような位置を占めているのかを、これまでの理論的展開や政策的展開を踏まえて概説する。また現在に至る政策文書を検討し、学校評価と教員評価の構造的な関係についても提示する。 
3学校評価の全体構造:学校評価が教育目標の設定、教育課程の編成、また内部組織編制や教職員の職務活動等の学校経営の在り方に関わるものであることを明らかにすれう一方、現在の多くの学校評価がなぜ徒労感に襲われがちなのかと問いを立てる。その上で、学校評価の対象、主体、手順、基準等の全体構造を提示する。 
4教員評価の全体構造:教員の職務活動が「教育的価値」を生み出し、個々の教員の教育活動、組織活動の水準が学校の在り方を左右することを確かめる一方、なぜ教員評価が難しいのかと問いを立てる。その上で、教員評価のシステムや校内での具体的な手順、過程等の全体構造を検討する。 
5学校評価と教員評価の関係構造:学校評価と教員評価の対象や主客構造について認識の混乱があり、両者の関係についても十分に整理されていない。この点から、教員評価が教員の職務活動が集積されて学校の組織活動を形成することから、教員評価が内円となる両者の同心円的構造の可能性について検討する。 
6参加者の課題別グループ分け:以降の事例分析における発表グループを編制し、その具体的な分担を決める。 
7学校評価・教員評価の行政モデル分析−都道府県・政令市:都道府県・政令市レベルで教育委員会が設定してきた学校評価・教員評価のシステムや実施プログラムを比較分析し、その特徴を整理する。 
8学校評価の事例分析(1):参加者の勤務校で実施している学校評価の実際について分析、報告し、その特徴と問題点を明らかにする。 
9学校評価の事例分析(2):参加者の勤務校で実施している学校評価の実際について分析、報告し、その特徴と問題点を明らかにする。 
10教員評価の事例分析(1):参加者の勤務校で実施している教員評価の実際について分析、報告し、その特徴と問題点を明らかにする。 
11教員評価の事例分析(2):参加者の勤務校で実施している教員評価の実際について分析、報告し、その特徴と問題点を明らかにする。 
12学校評価の自校モデルの設定−シミュレーション:これまでの事例分析等を通じて析出された学校評価の問題点、改善点から、参加者の勤務校の実態に応じた自校モデルをシミュレートする。 
13教員評価の自校モデルの設定−シミュレーション:これまでの事例分析等を通じて析出された教員評価の問題点、改善点から、参加者の勤務校の実態に応じた自校モデルをシミュレートする。 
14全体討議:これまでの分析と提案を踏まえ、これからの学校評価と教員評価のあり方について、総括的な議論を行う。 
15まとめ:本授業から参加者が得られた成果と課題について確認する。 
 
テキスト・参考書 テキストはなし。授業において適宜、紹介する。 
自学自習についての情報  
授業の形式 講義とグループ別に担当する課題の発表と議論からなる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 質問や議論など授業への参加(50%)、分担した課題の発表と議論の組織(50%) 
その他 教育と評価との「相性」について、幅広く考え、議論したい参加者を歓迎します。