科目情報
科目名 高校の学校経営 
クラス − 
授業の概要  高等学校教員志願者、現職教員及び学校経営に関心のある者を対象とするもので、今日の高校教育の有り様について追究するものである。本講座について、以下にその概要を述べる。
 広い通学圏にある公立高校は、私学・他の公立高などとの間で、生徒確保という量と質をめぐる競争ポジショニングにあり、アウトプットされる教育成果は、生徒や保護者などの教育消費者による厳しい評価対象となっている。こうした状況にあっては、高校の組織経営者である校長にはまさに戦略的な学校経営が求められており、この状況に最も適した組織運営が求められている。こうした背景と高等学校の学校経営の現状を踏まえ、組織論の観点から、学校組織、経営過程上の諸問題などに、事例研究、フィールドワーク(高等学校)を通じての事例分析などを行い、高校の経営構造を明らかにし、今後の学校経営の在り方を追究するものである。又、高等学校におけるリーダーなどのマネジメント及びリーダーシップ・スタイルについても考察する。 
授業の到達目標  高校の経営構造の現状・課題を、事例分析や事例研究などから把握し、高校の学校経営の在り方についてアプローチするとともに、マネジメント及びリーダーシップについてもアプローチする。 
授業計画
内容
1オリエンテーション
科目の概要、到達目標、授業の進め方等について、説明する。 
2学校経営と学校組織
学校経営論からみた高校の経営構造の現状、とりわけ、経営過程上の諸問題について解説する。さらに、組織論の視点から、学校組織について、解説する。 
3新たな職の設置と学校組織
高校の教職員組織の具体例を取り上げ、副校長、主幹教諭などの職の設置に伴う組織変容から、高校における学校組織の在り方を考える。 
4学校経営と組織マネジメント
学校経営は組織マネジメントの発想とスキルで行われている。ここでは、高校の学校経営における組織マネジメントの意義、在り方などについて解説する。リーダーシップ論についても触れる。これは、以後の演習において活用するためである。 
5組織マネジメント・プラクティス1
より効果的・効率的な組織マネジメントを展開する上での前提条件として、事例校のミッションを検討する。グループ演習を中心とする。 
6組織マネジメント・プラクティス2
組織マネジメントのスキルを活用し、事例校の学校経営ビジョンを検討し、年度計画づくりなどの具体化について進め、また、組織戦略等についても検討する。グループ演習を中心とする。 
7組織マネジメント・プラクティス3
学校経営ビジョンの実現に向けて、戦略ビジョン、組織、職位と役割、校長のリーダーシップ、ミドル・リーダーのリーダーシップ、業務プロセスについて、検討をする。 
8高校における意思決定
意思形成過程と意思決定について、府立高校で実施されている稟議制などの事例を挙げて、その現状と課題について考察する。 
9高校における学校評価制度と学校改善
学校評価制度の実施状況を分析し、学校評価制度のシステム化と、学校改善の活用方法について、検討する。 
10高校における教員評価制度と人材育成
京都府の高校において、実施されている教員評価制度を取り上げその概要を解説し、人材育成活用について検討する。 
11ロール・モデル(Role Model)とリーダーシップ・スタイル
ロール・モデル活用法から、リーダーシップ・スタイルを判別する手法を考察するとともに、リーダーシップの育成法についても、考察する。 
12フィールドワークFW (訪問先は高等学校、訪問先の校長から「学校経営の現状について」講話)
調査校のフィールドワークについては、2講時分をあてる。 
13フィールドワーク FW(12回と同様)
調査校のフィールドワークについては、2講時分をあてる。 
14事例研究1
調査結果の分析、考察、改善提言などについて、テーマ別グループ分けによる事例研究を行い、グループごとに、プレゼンテーションを行う。テーマは、以下のものとする。
「学校経営計画と教育目標」、「学校組織と意思決定」、「学校評価と学校改善」、「教員評価と人材育成」、「校長などのリーダーシップ・スタイル」
 
15事例研究2と総括
14回に引き続き事例研究を行い、その後、本講座の総括を行う。 
 
テキスト・参考書 その都度、推薦する。 
自学自習についての情報  
授業の形式 講義、事例研究、FW、プレゼンテーション、ディスカーションによる展開、ゲストスピーカの活用 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 参加意欲20%、事例分析のプレゼンテーション30%、レポート50% 
その他 特にない。