科目名 |
哲学概論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
◎哲学概論は、「哲学」に関心のある学生が、また、「教職科目として」履修する学生が、「他者とともに哲学することの基本」を学ぶ授業です。
◎「哲学って、何?」というひともいるでしょう。いまは、それでも問題ありません。「哲学」が重視することのひとつは、あなたが「あたりまえ」や「しかたない」と思っていることについて、「ほんとうにそうか」・「なぜか」・「ちがう見方はできないか」などといろいろ徹底的に考えてみることです。その意味で、哲学することは「多様な」そして「自由な」知的行為だと言えるでしょう。
この「哲学概論」の経験がこれまでの生活であまり経験したことのない時間になったと思うひとも多いだろう。字数制限があるため下記「授業計画」の欄に書くことになるが、どのような経験か少し書いておくから、参考にしてください。 |
授業の到達目標 |
◎社会とそこに生きる人間について、他者とともに考えることの点で進歩する。
◎できるだけ明確に問い、考え、話し合い、表現する、それらの点で上達する。また、あなた自身やあなたの友人が(加えて将来のあなたの学生、家族などが)考えたいことに関して、そのように「哲学的に」考え表現することの楽しさやむずかしさを経験したならば、それらを伝える工夫をする。
◎現在の社会や教育において、哲学することはどのように生かされるかということについて、あなた自身のアイデアを明確にする。 |
授業計画 |
1 あなたはこの授業で「哲学すること」を学び始めるだろう。そして、そのことは、あなたの経験や希望、あなたの日常の出来事や人間関係、社会の困難・問題などがこれまでとはちがって見える、そういう経験にもつながるだろう。
2 この授業を受け、以前からわたしは自己流で哲学することにかかわっていたと気づくひともいるだろう。しかし、そのひとにしても、この授業を経験し、「哲学すること」がこんなに幅広いものだということや「哲学することをつづけていくには」具体的にどのような取り組みが重要なのかということに関して、これまでよりずっと明確に知ることができるだろう。
1にあてはまるひとも、2にあてはまるひとも、「他者とともに哲学する」という試みが楽しいという経験につながる。協力し、「哲学概論」をそういう授業にしよう。
◎各回の授業内容(順不同)については、下記の表を見てください。また、「よい言論」、「コミュニケーション」、「哲学することの教育」、「映像資料から哲学すること」、「哲学に関連する読書」などは(ある回の授業だけでというのではなく)適宜授業で取り上げます。
◎「哲学すること」には、たんに受身でいるのではなく、能動的に「考える」姿勢が欠かせません。したがって、その単位取得には、「積極的な授業参加をつづけること」や「授業内だけでない、日々の熱心な取り組み」が求められます。
回 |
内容 |
1 | ガイダンス。 身近なこと(日常の人間関係や出来事、腹立ちや喜び、疑問など)から哲学することをはじめよう−1 |
2 | 気づきにくい困難や思い込みを発見するツールを知る。 身近なことから哲学することをはじめよう−2 |
3 | 伝わりにくい思いやことば、意味の共有などについて考える。 身近なことから哲学することをはじめよう−3 |
4 | 自分がよく知るわたし(たち)のことと、自分でもわかりにくいわたし(たち)のこと。 身近なことから哲学することをはじめよう−4 |
5 | 「哲学する経験」のむずかしさとおもしろさ。 身近なことから哲学することをはじめよう−5 |
6 | 映画とともに哲学する−1 |
7 | 映画とともに哲学する−2 |
8 | 現代社会の政治・倫理・法・制度に関して哲学する−1 |
9 | 現代社会の政治・倫理・法・制度に関して哲学する−2 |
10 | 調整日 |
11 | 論理的なこと・科学的なことは、哲学にとってどのように重要なのか |
12 | 「議論」だけが、哲学にとって重要なのではない |
13 | 映画とともに哲学する−3 |
14 | 映画とともに哲学する−4 |
15 | 現代社会の政治・教育・制度に関して哲学する
*以上、順不同。 例年どおりであれば、多くの学生が「実習のために」欠席する日が数回ある。そのことも考慮し、授業の計画はある程度柔軟なものだと理解してください。
*実習や病欠も含め欠席した場合に、そういう自分の経験を哲学し、その成果を書くという課題もある。それは、具体的な状況のなかの自分について考えることが「哲学すること」の重要な一部でもあるからです。 |
|
テキスト・参考書 |
テキストは指定しない。ただし「読書資料」を配布することがある。その際、十分に予習・復習してのぞむこと。 |
自学自習についての情報 |
授業内で、そのつど参考書や自学自習の情報を提供する。積極的に、それらに取り組んでほしい。 |
授業の形式 |
「講義形式」です。ただし、授業に参加する人がただ受身でいるような授業ではなく、「映像資料」や「読書資料」もたくさん活用し(「人の話を聞き、自分の意見を述べる」グループワークを行うこともあるかもしれない)、具体的かつ理論的に「哲学すること」に取り組めるように工夫します。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
◎平常成績(授業参加の積極性、授業中のワークやコメントペーパー、ホームワークなどの成績が中心だが、ノート・資料等参照不可でおこなう数回の確認テストの成績も含む) 60%
◎学期末試験(ノート・資料等参照不可でおこなう) 40%
◎ホームワーク、確認テストなどの通知は授業内だけで行うので、継続的な授業参加はその意味でも重要です。 |
その他 |
継続的で、積極的な授業参加を望みます。また、ただ毎回座っていればそれだけで単位がとれて当然だとか、授業中の私語や授業と関係のない用事などに厳しく対処されるのは嫌だとか思う学生は、この授業に合わないと思います。その点では、はっきり言って厳しい授業です。 とはいえ、上記のことが守られれば、(実際には受講を通して判断してもらうしかないけれど)基本的に、親しみやすく、ていねいで、おもしろい、そんな授業でありたいと思っています。 |