科目情報
科目名 地理学研究 
クラス − 
授業の概要 ◆特定地域における野外実習、およびそれに先立つデスクワークを通じて、地域を多面的に理解します。
◆地理教育を主題とした全国学会に参加し、「まなび」の中で地理学や地理が果たす役割について考えます。
◆今年度の特定地域(現地実習の実施地域)は長崎県(長崎市)と佐賀県(佐賀市)です。前者では傾斜地に発達した長崎の特性や文化をフィールドワークを通じて学びますが、近代日本のエネルギー政策を支えた基盤の一つであった端島(いわゆる軍艦島)の訪問も視野に入れています。後者では、8月24日(土)に佐賀大学で開催される日本地理教育学会に参加し、会長講演やシンポジウムを聴講する予定です。
◆現地実習について:集合は8月22日(木)正午に昼食を摂ったうえでJR長崎駅、解散は8月24日(土)の午後3時ころに佐賀大学で予定しています。地理教育に深い関心がある方は、日本地理教育学会は25日(日)も開催されるので、自主的に残留して聴講していただいても構いません。 
授業の到達目標 地理学研究には,文献読解・統計処理・地図作成などの室内作業(デスクワーク、インドアワーク)と現地調査(フィールドワークが必要です。本授業科目で受講生諸君は,これらの両面の基礎を経験し,その能力を磨いていくことになります。地域を地理学的に観察する能力が備われば,漫然と楽しむだけの旅が「もったいない」と思えるようになれるはずです。
【「学士力」の内容に関する記載】
1.2泊3日の現地実習(フィールドワーク)を通じて,文化・社会・自然に関する知識が深められます。《知識・理解》
2、文献渉猟と文献紹介によって情報リテラシー能力を高めることができます。《汎用的スキル》
3.フィールそワークでの団体行動によって,学校教育現場で不可欠なチームワークの大切さを体験的に学ぶことができます。《態  度・方向性》
4.自然・社会・人文を総合した地理学的な地域観察によって,地域固有の問題点や長短所を見出し,改善を要する部分を創造的な取り組みで解決していける能力が育てられます。《総合的な学習経験と創造的思考力》 
授業計画 ◆4月中:予備登録(香川研究室=B棟3階360室)⇒前期開講日の正午に予備登録用紙を香川研究室のドア付近に貼付します。受講希望者は、特に下の「その他」欄に記載した内容を了承のうえ、予備登録用紙に必要事項を記入してください。
◆上記の予備登録は、前期開講日から1週間以内に一旦打ち切りますが、この間に予備登録できるのは3回生以上に限ります。予備登録の開始から丁度一週間後の正午に定員を満たしていない場合、その余剰枠について、更に約一週間にわたって第二次予備登録を実施します。第二次予備登録には、1・2回生も記名できますが、3回生以上を優先するので必ず受講できるとは限りません。
◆正式な受講許可学生は4月末日までに出来るだけ早く、予備登録と同じ場所に掲示します。
◆5〜7月:月に1〜2回の事前学習(受講生による論文紹介と質疑応答など。原則として水曜の午後、もしくは土曜日午後)。長い場合は4限の終了時刻を超えることもあります。アルバイトによる欠席は一切許可しませんので、そういう恐れがある諸君は予備登録を控えてください。
◆8月:2泊3日の行程で現地実習(現地での簡単なフィールドワーク及び宿舎での討論)を実施します。現地解散日から一週間以内に2000字程度のレポートを提出していただきます。レポート課題については現地実習中に指示します。 
テキスト・参考書 ◆テキストは使用しません。
◆本授業科目(内容的に類似する科目を含む)についての過去8回分の実施記録は、京都教育大学教育実践研究紀要3号(2003)、同5号(2005)、同7号(2007)、同9号(2009)、同10号(2010)、第11号(2011)、第12号(2012)、第13号(2013)を参照してください。それぞれに所収されている論文タイトル(副題省略)は、3号が「東京を歩く」、5号が「道央探訪」、7号が「長崎ば、さるかんね」、9号が「道南〜道央のエクステンシブ型フィールドトリップ」、10号が「歩くぞなもし城下町」。11号が「歴史的遺産の…(以下省略)」、12号が「香川県地理学漫遊」、13号が「義務教育で重視される項目をたどる…(以下省略)」です。このうち7号以降について、インターネットでも閲覧が可能(ただしアクロバットリーダーが必要)ですが、3号と5号については附属図書館で閲覧してください(7号以降についても図書館で閲覧可能)。
◆事前学習における論文検索については、各種検索エンジンを活用するか、地理学演習室に収蔵している『地理学文献目録』(1〜12集)を利用してください。 
自学自習についての情報 事前学習で紹介する地理学および周辺領域の論文は、できるだけ本格的な学術論文を探してください。簡単なエッセーなどを選ぶと、それ相応の知識しか得ることができず、卒業論文を執筆するときにも良いものを書くことができなくなります。探している文献が図書館や研究室で見つからないときは、図書館のレファレンスカウンターで相談して他機関所蔵資料の利用を申請してください。申込から1週間程度で複写された文献が届きます(高くないですが有料です)。国立国会図書館関西館の利用も有効ですし、ここで利用者証を作成(無料)しておけば、インターネット経由で国内にあるすべての文献を取り寄せる(こちらは有料)ことができるようになり、学習や研究の幅が一気に拡大します。 
授業の形式 5〜7月:演習形式による論文紹介と討論(デスクワーク[インドアワーク])
8月:現地実習(フィールドワーク)、授業時間外でのレポート作成 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ◆5〜7月の事前学習での積極性:30%
⇒論文紹介に際しては、CiNii殻からダウンロードが可能な論文よりも、地理学雑誌に載った本格的な論文、本学に所蔵されていない雑誌の論文を紹介した場合に高い評価を与えます。その逆は必然的に評価が低くなります。
◆8月の現地実習での積極性:50%
⇒遅刻、メモを取らないなど受講態度が悪い者は高い評価が出来ません。
◆解散日から一週間後が締切のレポート(約2000字)の内容:20%
⇒内容を熟読して現地での行動や考察を評価します。提出期限に遅れると不合格になることがあるので注意してください。 
その他 ◆京都と現地との往復交通費、現地での交通費、宿泊料金、食費、学会参加費、旅行保険代金、雑費などの合計で4〜5万円を要します。
◆宿舎予約や旅行保険との関係で、ゴールデンウィーク後の指定期日に25,000円を集金します。
◆現地までの往復は、基本的に受講生各自の自由です。乗車券類は各自で手配をお願いします。