科目情報
科目名 哲学研究 
クラス − 
授業の概要
◎この「哲学研究」では、現代社会とそこに生きる人間について、よく話し、徹底的に考えることを重視します。

◎これは、哲学に関心のある学生に、「他者(他人)とともに哲学することの基本」と「あなた自身の関心のあるテーマについて哲学することを進めること」が身につくように工夫された授業です。

◎「他者とともに哲学すること」に取り組む方法にはいろいろあるが、その基本のひとつは「〈常識〉や〈とても気になるんだけれど自分ではどのように主題化・考察すればよいかわかりにくいこと〉をできるだけ明確に問い、考え、話し合い、表現すること」にある。この「哲学研究」では、そうした哲学することを身につけるとともに、それをほかのひととともに進めること、さらにそのことのよさ・楽しさを伝えることなどの点でもあなたの力になるように工夫し、授業を進めます。きっとおもしろい経験になると思いますが、そのためにも積極的に、そして他者との会話・対話に開かれた気もちで、参加してほしい。
 
授業の到達目標
◎「哲学的に」考え、話し合い、表現することの「おもしろさ」と「むずかしさ」を経験し、教員のサポートを受けながら実際に自分で「徹底的に考える実践」に取り組むことができる。

◎現在の社会や教育において、具体的に「他者との会話・対話をとおして探究すること」はどのように生かされるかということについて、あなた自身のアイデアを明確にする。
 
授業計画
◎テキストは使用せず、映像資料、読書資料、さまざまなワーク(グループで話し合う機会を含む)などを活用する機会が多い。「教師が概説するのをただ聞いて板書を写す」というような時間は非常に少ない授業です。

◎この授業は、「他者と会話・対話することをとおして探究すること」を重視します。また、12月および1月の授業では、受講者各自が取り組む考察とその中間発表の機会も設ける予定です。継続的かつ積極的な参加が重要な授業であり、三分の二以上の出席を満たさない場合はその理由だけでも単位取得がかなりむずかしくなると理解して登録するように。

◎「哲学って、何?」・「哲学すること」の特徴については、前期の「哲学概論」の「授業計画」の欄を参照してください。また、「哲学研究」のねらいはまったく「教職」に限定しません。しかし、もし「教育」という点を強調してこの授業を特徴づけるならば、それは、あなたが「この社会や学校で、どのように、哲学を学び、教えるのがよいか」ということについていろいろ考え、経験する機会にもなるものだと言えるだろう。

◎比較的少人数の授業になると思うから、授業の進め方に関しても授業内容に関しても、参加者の希望も聞きながら柔軟に対応することになります。その点、理解して参加してください。また、あなたが授業内容に関して「もっと考えたい」と思ったことをさらにつぎの授業時間までに深め、かたちにしてくることに取り組むことも求めます。


1-3  
まず自己紹介から始めよう。また、あなたが気になっていること(それはこれまでひとまえで口にしてこなかったことでもいい)についても哲学することができるかもしれない、そのことについてみんなで(あなたと他の参加学生たちと菊地と)考えよう。

4-7
「自由・平等・正義」、「自分が多数派(メジャー)もしくは少数派(マイナー)になること」、「現代社会における分離や排除」などについて、基本講義を理解し、それをふまえて対話し、考える。

8?10
これまでの授業を経験し、あなたはいま何を思っているか。そして、ほかの参加学生は何を考えているのか。それらを表現し、共有し、そこから哲学することを進める。

11-15 受講者各自が自分で選んだ主題に取り組み、それらについてみんなで(あなたと参加学生たちと菊地と)話し合い、検討する。

以上、順不同。

 
テキスト・参考書 テキストは指定しない。ただし「読書資料」を配布することがある。その際、十分に予習・復習してのぞむこと。 
自学自習についての情報 授業内で、そのつど参考書や自学自習の情報を提供する。積極的に、それらに取り組んでほしい 
授業の形式
◎映像資料や読書資料も生かした「講義」を含むが、会話・対話、個人発表などもたびたび活用する「演習・ゼミ」に近い形式をイメージしてください。また、12月および1月の授業は、受講者各自が取り組んだ考察とその中間発表について、学生全員と講師によって自由に話すことにも多く時間をとる予定です。

◎意欲があれば、たとえば専攻、所属学科など問いません(自分にとって単位取得が可能な科目であるかということは各自で確認してください)。そういう意味で「受講制限」はありません。ただし、注意事項を下記「その他」に記すので、必ず読んでください。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)
平常点のみ(100%)で、評価する。

各回授業の平常点評価 60点(授業参加の積極性、授業中のワークやコメントペーパー、ホームワークなど)
学期末の最終課題関連 40点(最終課題の成果に加え、その準備段階の取り組み、ほかのひとの課題の検討など)

★最終課題の評価で重視するのは、「何を主題として取り上げるか」、「その主題について、どのように、どこまで考えたか」、「そうした考察の成果を、どのような論述・表現で表したか」などの点です。
 
その他
◎あなた自身がぜひ考えてみたいと思うことに関して「哲学的に」考え、表現することに役立つように、わたしは全力でひとりひとりに合うサポートをします(少人数授業であることを前提としていますが、ある程度人数が多くなってもできるかぎり個人の相談にのります)。

◎とくに「受講制限」はありません。「哲学概論」を受講したことがあると授業に慣れるのが早いということはあるでしょう。他面、講義形式の哲学概論とは授業形態が異なるから、 哲学概論が楽しかったからというだけで安易に授業参加を決めるのでなく、 「他者と会話・対話することをとおして探究する」という機会が多い哲学研究の場に積極的に参加したいという気もちがあるということを前提に、授業参加するようにしてほしい。

◎私語、遅刻、ただ出席しているだけで授業への参加姿勢が著しく消極的な場合などは、減点します。

◎継続的で、積極的な授業参加を望みます。すでに上で厳しいことをたくさん書いたと思いますが、熱心に取り組めば、基本的に親しみやすく、おもしろい、そんな授業だと思えるでしょう。そういう授業になるよう、わたしも全力で取り組みます。