科目名 |
英文法B |
クラス |
− |
授業の概要 |
本年度の授業では、英文法に関する重要なテーマの中から、動詞の意味と構文交替現象の習得について講義する。近年の理論言語学(認知言語学、生成文法の概念意味論など)の知見を文献購読を通して解説する。文法現象の観察、記述だけでなく、体系的かつ整合性の高い説明のあり方を目指す。また、言語学の知見を英文法教育にどのように活用するかという問題についても考察を深める。 |
授業の到達目標 |
1.英語の与格交替(dative alternation)を取り上げ、二重目的語構文と前置詞付き与格構文の諸特性について、英語史や言語獲得等、さまざまな角度から検討し、動詞と構文の相関の問題を理解する。 2.理論言語学の研究成果を英文法指導に活用する具体的な方法について考察する。 |
授業計画 |
海外の学術雑誌に掲載された論文、古典的な名著、最新の構文研究など、幅広く文献を取り上げる。併せて、適宜小テストを実施する。
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション |
2 | 言語獲得の論理的問題(logical probem of langauge acquisition) |
3 | 習得可能性の逆説(learnability paradox) |
4 | Chomskyの生成文法 |
5 | 音韻論と文法 |
6 | 英語史と構文 |
7 | 与格交替研究の基本:Green(1974), Oehrle(1976), Mazurkewich and White (1984) |
8 | 与格交替と言語習得:Pinker(1989) |
9 | Pinker(2007)の概念意味論 |
10 | Pinker(2007), Levin(2008)の概念意味論 |
11 | Goldberg(1995,2006)の Constructon Grammar |
12 | 言語習得と用法基盤モデル(Usage-Based Model) |
13 | 英文法教育への活用 |
14 | 英文法教育への活用 |
15 | 英文法教育への活用・講義のまとめ |
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テキスト・参考書 |
テキスト: 英文資料をプリントにして配布する。
参考文献: 藤田耕司・松本マスミ・児玉一宏・谷口一美(編)(2012)『最新言語理論を英語教育に活用する』開拓社. 山梨正明(編)(2009)『言語習得と用法基盤モデル』研究社. |
自学自習についての情報 |
毎回の授業で扱う内容について事前の予習を行い、問題点を明らかにして授業に臨むことを求める。英語学の基礎知識については履修者の自習に負うところが大きいため、必要な学習課題は適宜、授業中に指示する。 |
授業の形式 |
講義と演習。内容理解と定着を図るため、適宜、口頭発表と課題提出を求める。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
試験(60%)、小テストと課題提出(30%)、授業への参加態度(10%)を評価基準とする。 |
その他 |
単位修得には履修者の相当な努力と熱意が必須。 |