| 科目名 |
心身医学特論 |
| クラス |
− |
| 授業の概要 |
１．ストレスやそれに伴う心身相関の機序を理解する。
２．心身症の主に発症に関わる精神分析学的な退行と固着、器官選択、防衛機制についてなどを理解する。
３．心身症の主に遷延化に関わる、認知の歪みの背景にある自動思考や中核概念、行動の制限やコーピングについて理解する。
４．代表的な臓器別心身症について理解を深める。
５．心身医学臨床で必要な心理検査とリラクセーション指導を演習する |
| 授業の到達目標 |
１．教員や臨床心理士として必要な心身医学的知識により、心療内科や小児科などの臨床医学と協同できるよう高度化する。
２．心身医学的人間理解や治療の基本となる、精神分析学と認知行動学が理解できるようになる。
３．面接や心理検査などの心身医学的診断学を実施できるようになる。
４．リラクセーション指導が実際にできるようになる。
５．日本心身医学会認定医療心理士に必要な水準の知識が習得できるようになる。 |
| 授業計画 |
| 回 |
内容 |
| 1 | オリエンテーション、内分泌系の代表的心身症：摂食障害を例として |
| 2 | 心身医学の歴史と概念 |
| 3 | ストレスとライフイヴェント |
| 4 | 精神分析学的心身相関：７つのメタ尺度 |
| 5 | 精神分析学的心身相関：発達論、退行、固着と器官選択、心的防衛機制 |
| 6 | 認知行動学的心身相関：認知や行動の分析、自動思考、中核概念、コーピング |
| 7 | 内分泌系の代表的心身症：甲状腺機能亢進症、糖尿病、肥満症 |
| 8 | 消化器系の代表的心身症：胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群 |
| 9 | 循環器系の代表的心身症：高血圧、心筋梗塞、タイプA性格 |
| 10 | 神経系の代表的な心身症：頭痛、不眠症 |
| 11 | 児童生徒にみられる心身症：起立性調節障害、円形脱毛症など |
| 12 | 心身医学的心理査定と面接：CMI、SDSなどの質問紙法、バウムテストなど投影法、初回面接、診断面接、終結への治療構造 |
| 13 | 心身医学的治療：リラクセーション（自律訓練法、筋弛緩法、呼吸法）、内観療法、森田療法、絶食療法など |
| 14 | 心身医学的治療：交流分析、エゴグラム、ゲーム分析、脚本分析 |
| 15 | 心身医学的患者理解のための多様な方法論：マイクロカウンセリング、来談者中心アプローチ、解決指向アプローチ、認知行動療法、精神分析的精神療法、弁証法的行動療法、メンタラィゼーション準拠療法など |
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| テキスト・参考書 |
テキスト:吾郷晋浩ら編「臨床心身医学テキスト」三輪書店、ISBN-13: 978-4895902373
参考書：前田重治著「図説臨床精神分析学」誠信書房、ISBN-13: 978-4414401448
伊藤絵美著「認知療法・認知行動療法カウンセリング」星和書店、ISBN-13: 978-4791105892
竹内義博編「よくわかる子どもの保健」ミネルヴァ書房、ISBN-13: 978-4623052875
J.L.Levenson編「Textbook of Psychosomatic medicine, Psychiatric Care of the Medically ill」American Psychiatric Publishing、ISBN-13：978-1585623792 |
| 自学自習についての情報 |
テキストは平易なので、臨床心理専攻以外の教科専攻学生にとってもわかりやすい。
学校や教育相談などの経験者や心理士をめざす者は、参考書や授業で紹介する資料等でさらに知識が深まるように配慮される。
身体面の知識や心の健康の基礎知識として、学部授業の健康科学論の授業内容が基礎となる。「図説臨床精神分析学」や「よくわかる子どもの保健」などで自習をしておくとよい。
テキストの該当部分を授業前に読んでおくと理解しやすい。授業で行ったレスポンス課題は、テキストや参考書、図書館の資料等を参考にきちんと調べて、理解を深めておく必要がある。臨床心理士資格試験の心身医学分野の過去問、日本心身医学会認定医療心理士資格試験の過去問を解いていくことが理解を深めることになる。 |
| 授業の形式 |
できるだけ事例を中心とした展開を図る講義であるが、演習も含まれる。 |
| 評価の方法（評価の配点比率と評価の要点） |
授業中に行われるレスポンス課題14％、指定された課題レポート16％、期末試験70％ |
| その他 |
メンタルヘルス全体を把握するためには、精神医学特論も共に履修するべきである。
こどもと思春期の精神保健に関しては、前期開講の学校保健特論IIで詳しく扱っている。
自傷、自殺、いじめなどの非社会的問題行動への危機介入については、次年度後期開講の保健体育科教育教科内容論Xで詳しく扱っている。
＊授業中紹介する事例について守秘義務を守れる者でなければ履修できない。 |