科目情報
科目名 精神医学特論 
クラス − 
授業の概要 1.精神医学について理解を深める。
2.精神医学的な対人理解力を身につける。
3.精神科での診断や治療が必要な事例を理解する。 
授業の到達目標 1.教員や臨床心理士として必要な基本的精神医学的知識を修得し、精神科医療と協同できるようになる。
2.児童生徒に対して適切な精神医学的な対応ができ、精神科受診の必要性を早期発見できるような高度化に対応できるようになる。
3.精神医学的な病理を持つ人を見分けることができるようになる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション、精神医学の概念、歴史、神経生理 
2クライエントへの接し方と主な精神症状 
3器質性・症候性精神障害(認知症を含む) 
4精神作用物質による精神及び行動の障害(依存と嗜癖) 
5統合失調症 
6統合失調症と妄想性障害 
7感情(気分)障害:双極性 
8感情(気分)障害:単極性 
9不安障害、恐怖症、強迫性障害 
10急性ストレス障害と心的外傷後ストレス障害、適応障害 
11身体表現性障害と生理機能に関連する精神障害 
12パーソナリティ障害 
13小児の知的障害と心理的発達障害 
14児童青年期の行動と情緒障害 
15精神医学的治療 
 
テキスト・参考書 テキスト:上島国利著「精神医学テキスト改訂第3版」南江堂、ISBN:978-4524264360
参考書:本間友巳編「学校臨床 子どもをめぐる課題への視座と対応」金子書房、ISBN-13: 978-4760823659
鎌倉利光編「子どもの成長を支える発達教育相談 改訂2版」北樹出版、2013年4月以降出版予定
    David Semple著 「Oxford Handbook of Psychiatry, 3rd ed. 」Oxford University Press、ISBN-13: 978-0199693887(ヒルガード心理学を英文で読んだ人には、同様に低価格で最新なのでおすすめ)
辞書:加藤敏編「現代精神医学事典」弘文堂、ISBN-13: 978-4335651434  
自学自習についての情報 第1回からテキストを使用するので持参すること。平易なテキストなので、心理専攻ではない学科専攻の学生にとっても解りやすい。基礎知識がなくても履修に支障ないと思われる。学校臨床に必要な精神医学の基礎をしっかり身につけよう。
教職や教育相談経験者や心理専攻学生向けには、より詳しい資料を必要に応じて配布するが、評価には問わない。
精神医学の事例が含まれる映画やドラマなどを積極的に利用すれば、患者やクライエント、児童生徒理解の助けとなる。
授業で行うレスポンス課題は、テキストや参考書、図書館の資料等で内容理解を深め、使える実践的な知識としていく。
臨床心理士資格試験の精神医学分野過去問、精神保健福祉士国家試験の精神医学分野過去問には、文部科学省や厚生労働省が求めている援助職に必要な精神医学の内容が反映しているはずなので、きちんと対応しておくことが望ましい。 
授業の形式 事例をできるだけ紹介しながら講義形式で展開するが、演習も含まれる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中に行われるレスポンス課題14%と指定課題(映画などを予定)レポート16%、期末試験70%で評価する 
その他 基礎的な生物学的人間理解として、神経生理分野は、学部授業での心理生理学で行っている。そこで指定されている「生理心理学」のテキストや、ヒルガードの心理学などに書かれている生理学的内容の復習はとても役に立つ。
精神医学の1つの専門分野である心身医学は、心身医学特論で詳しく学ぶ。そのため精神医学特論にはあまり含まれていない。
授業時間の限界で、こどもと思春期の精神障害の詳細は、前期開講の学校保健特論IIに含めている。すなわち大人の精神障害としても重要な内容である摂食障害や、成人の発達障害などが精神医学特論では簡単に扱われるだけで、詳しくは学校保健特論IIで扱われている。
また自傷や自殺などの学校危機介入に必要な精神医学については、来年度後期開講予定の保健体育科教育教科内容Xで詳しく扱われている。
*授業中紹介する事例について守秘義務を守る者でなければ履修できない。