科目情報
科目名 不登校理解とその支援の実際 
クラス a 
授業の概要  不登校児童生徒の現状と理解、その支援方法について、研究者教員の心理臨床的な視点と、学校現場の経験が豊富な実務家教員の視点の、双方からの理解を深める。
 不登校児童生徒を理解するために必要な知識や理論、実践について、講義・演習を通じて学ぶと共に、不登校に関わる事例を現職教員を中心とした受講者から提示してもらい事例演習にも取り組む。 
授業の到達目標 ・不登校の歴史的背景や社会的背景を踏まえたうえで、その推移や現状について理解し、説明できること。
・不登校児童生徒の支援の連携先としてどのような資源や機関があるかを理解し、その活用について十分に把握し、具対的な活用プランを持てること。
・様々なタイプの不登校に対し、どのようにアセスメントを進めて児童生徒の理解に努め、どのような支援計画で臨めばよいか立案できるようになること。 
授業計画
内容
1「オリエンテーション:不登校問題の歴史」
 不登校問題の歴史的背景、文化的背景、あるいは社会的背景を概説し、その時間的推移と変遷を概観することを通して、不登校の今日的な課題を考える。 
2「不登校理解のうえで基本的ないくつかの視点」
 不登校という問題を、どのように受けとめ、どのように考え、どのように理解することができるのか。こうした問題を考えていくうえで必要な基本的ないくつかの視点を取り上げ、それらについて概説する。 
3「子ども理解のための基礎知識」
 不登校という状態像を呈するのは、成長・発達途上にある子どもたちである。そうした子どもたちを理解するための基礎知識として、子どもの心理と発達課題、家族関係や対人関係のあり方について概説する。  
4「主として児童期の不登校とその理解」
 不登校の状態像や背景にはどのようなものがあるのか、主として小学校の時期に見られる不登校の代表例を中心に、講義・演習を行う。 
5「主として思春期の不登校とその理解」
 不登校の状態像や背景にはどのようなものがあるのか、主として中学校・高校の時期に見られる不登校の代表例を中心に、講義・演習を行う。 
6「子ども理解のためのアセスメントの方法」
 子どもたちを理解するための基本的なアセスメントの方法や諸技法、アセスメントを行うためのさまざまなツール、アセスメントを意味あるものにするための工夫について、講義・演習を行う。 
7「保護者理解と保護者との連携」
 不登校の問題に取り組み支援を進めていくうえでは、子どもたちの保護者との連携が不可欠である。保護者の心情についての理解を深め、保護者の置かれている社会的状況を理解し、保護者との適切な連携を築くうえで必要な基本的な事項について、講義・演習を行う。 
8「スクールカウンセラーとの連携」
 不登校問題に取り組むうえでは、連携を踏まえた取り組みが基本となる。スクールカウンセラーとの連携を中心に、学校内における不登校問題への取り組みのさまざまなあり方について、講義・演習を行う。 
9「学外機関との連携」
 教育相談機関、福祉機関、司法矯正機関、医療機関など、主として学外の機関とのさまざまな連携による取り組みのあり方について、講義・演習を行う。 
10「予防・開発的な取り組み」
 不登校問題への取り組みとは、不登校が起きにくい学級づくり、学校づくりの取り組みでもある。そうした取り組みのさまざまなあり方について、講義・演習を行う。 
11「不登校と発達障害」
 発達障害の二次障害としての不登校を予防するために、そうした特性を示す子どもたちの心理的・行動的特徴を理解し、適切な対応を考えるうえで必要な基本的ないくつかの視点について、講義・演習を行う。 
12「不登校に関わる事例演習(1)」
 受講者が実際に関わった事例を現職教員を中心に報告してもらう。受講者のグループディスカッションを中心に、心理臨床の視点からのコメントや実務家教員の視点からのコメントを行い、事例ならびに対応について理解を深める。 
13「不登校に関わる事例演習(2)」
 受講者が実際に関わった事例を現職教員を中心に報告してもらう。受講者のグループディスカッションを中心に、心理臨床の視点からのコメントや実務家教員の視点からのコメントを行い、事例ならびに対応について理解を深める。 
14「不登校に関わる事例演習(3)」
 受講者が実際に関わった事例を現職教員を中心に報告してもらう。受講者によるグループディスカッションを中心に、心理臨床の視点からのコメントや実務家教員の視点からのコメントを行い、事例ならびに対応について理解を深める。 
15「まとめ」
 不登校理解とその支援についてのまとめを行う。授業全体を振り返っての理解を深化・定着させることを目標に、講義・演習を行う。 
 
テキスト・参考書 テキストは使用しない。参考文献については、授業中に適宜指示する。 
自学自習についての情報 不登校やその周辺の問題、子どもの発達や心理について、ふだんから積極的に文献に目を通し、自分なりに考えを巡らせておくこと。 
授業の形式 講義、グループディスカッション、グループ発表、演習をおりまぜて行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中の発言・態度50%(積極的なグループディスカッションへの参加、事例へのコメントなど)
期末のレポート50%(最終的な不登校への理解度、その支援の具体性・現実性などを評価) 
その他 特記事項無し