科目情報
科目名 保護者・地域との連携実践 
クラス − 
授業の概要 学校と保護者・地域との連携の在り方について理論的検討を行い、「学校の意思」「専門的意思」「開かれた学校づくり」「参加」「ガバナンス」などをキーワードに実践的にその連携戦略を考える。現代の教育改革における開かれた学校づくり、開かれた学校経営の意義、特色を問い、、そのかたちを検証することによりその在り方を吟味する。 
授業の到達目標 受講生は学校と保護者・地域との連携の実態と問題点を理解し、「わたしの学校づくり連携戦略」として、
個々の学校がもつ条件を生かした連携を促進する道筋とシステムを構想しうる力量を育成する。 
授業計画
内容
1授業概要・オリエンテーション:本科目の全体構造を提示しながら、授業のねらい、進め方、評価などについて説明する。受講生は自らの連携のあり方を「わたしの学校づくり連携戦略」としてまとめ、最終リポートとする。
*大津市立中学いじめ自殺事件と大阪市立桜宮高校体罰自殺事件から見えてくる学校と親・地域との連携のかたちと課題について議論する 
2開かれた学校づくりの制度:その制度、展開、現状、そして論点。外国の事例 
3開かれた学校づくりの政策展開:1980年代から展開した「開かれた学校経営」「開かれた学校づくり」の背景など、・・・。
 専門家の支配→情報の公開・開示→開かれた行政→保護者等の教育意思の尊重・学校運営への反映、参加論→←学校は誰のものか、ステ―クホルダー→ガバナンス論 
4開かれた学校づくり論,その理論的展開と現在:保護者等の意向反映や参加を目指す研究の展開、そこでの議論、課題などについて整理。参考=連携とガバナンス、連携からガバナンス。協力→連携→協働ー意向反映→参加→ガバナンス、などの関係整理。対話から参加へ「開かれた学校づくり」 
5理論演習(1):授業者の執筆になる論稿などを題材にして、授業テーマにかかわる”理論武装”を図る。 
6理論演習(2):授業者の執筆になる論稿などを題材にして、授業テーマにかかわる”理論武装”を図る。 
7事例分析(1):学校運営協議会は、学校を所管する教育委員会の規則(教育委員会規則)によって設置される。現在までに制定された教育委員会規則の収集、比較を通して、その多様性と共通性を見出だし、保護者や地域住民の主体性がどのように担保されているかを中心に検討、考察する。 
8事例分析(2):東京都足立区立五反野小学校「学校理事会」を事例に、設置に至る経緯、理事会の仕組みや制度、理事会の実際、課題などについて説明し、その後の五反野小学校の変化を見ることで、この制度が日本社会になじんでいるのか、なじむ制度であるかなどについて考える。 
9事例分析(3):京都市の学校運営協議会は、五反野小学校の学校理事会と並んで先導的な試みであり、その取り組みは全国的に注目されている。学校運営協議会を設置している学校を事例として、その実際のシステムや運営について分析し、それがどのように学校改善に結び付いているかを検討する。また「京都版コミュニティスクール」の設置経緯、狙い、仕組み、実際、課題を探り、その検証を目指す。 
10これまでの授業を踏まえ、学校づくりと連携の意義と必要性、課題と論点を整理する。 
11前回の授業で整理した課題と論点について、これからの連携の在り方という観点から議論を深める 
12学校づくりにはどのような連携が求められるかについて、ロナルド・ドーア『誰のための会社にする』を引き合いに検討する。 
13「わたしの学校づくり連携戦略」作成のためのアドバイスと議論・・・どんな要素、どんな角度や観点、戦略がありうるかにいて討議する@ 
14「わたしの学校づくり連携戦略」作成のためのアドバイスと議論・・・どんな要素、どんな角度や観点、戦略がありうるかにいて討議するA 
15ファイナルリポート作成に向け議論、作成 
 
テキスト・参考書 テキスト:
参考図書 :小島弘道『学校と親・地域』東京法令(本学図書館配架)1996
      小島弘道『21世紀の学校経営をデザインする 上』教育開発研究所、2002
同編 『時代の転換と学校経営改革』学文社、2007
小島他『学校づくりとスクールミドル』学文社、2012 
自学自習についての情報 視野を広げるために小島弘道他『学校づくりとスクールミドル』は手元に置いて読んでほしい 
授業の形式 授業テーマにかかわる理論の説明、政策分析、事例研究を行う。受講生の参加を重視した授業としたい。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業での報告、発表、授業への参加姿勢(70%)、レポート(30%) 
その他 特にない