科目情報
科目名 学びと動機づけの理論と実践 
クラス − 
授業の概要 人の学びと動機づけに関する心理学の諸理論について概観し、実践とのかかわりやそのあり方について考察を進めていく。学びに関する諸理論としては、行動論、認知論、状況論を主として取り上げて検討していく。動機づけの諸理論については、発達、学習、人間関係、臨床といった視点から考えていく。理論と実践の両面のアプローチから統合的に理解を深めていくようにする。 
授業の到達目標 学びや動機づけの諸理論について深く理解し、人の学びを支える実践をよりよく構想していく新たな視点を身につけていくことをめざす。 
授業計画
内容
1イントロダクション
学びと動機づけについて心理学ではどのような検討がなされてきているか、実践とのかかわりがどのようであるかについて、導入として概説する。 
2学びと動機づけの心理学
人が学ぶということ、動機づけとは何かについて心理学ではどのように考えられているかについて説明する。研究のこれまでの流れや、近年、関心を集めている研究テーマ、実践との結びつきについておさえる。 
3学びの心理学―行動論の見地から―
行動主義の観点から学ぶということがどのように検討されてきたか、諸理論が実践の中ではどのようなかたちで取り入れられてきたかについて検討する。 
4学びの心理学―認知論の見地から―
認知論の観点から学ぶということがどのように検討されてきたか、諸理論が実践の中ではどのようなかたちで取り入れられてきているかについて検討する。 
5学びの心理学―状況論の見地から―
状況論、社会的構成主義の立場からみると学ぶということはどのように説明されるか、また、このような立場からどのような実践が構想できるかについて検討する。 
6動機づけの概念
動機づけの概念定義、プロセスと機能、水準、構成要素について心理学理論の観点から概説し、実践の中で語られる動機づけの概念について吟味する。 
7動機づけを捉える方法論
動機づけについての量的、質的なアセスメントにはどのようなものがあるか、実践とのかかわりをふまえて考える。 
8動機づけの発達上の基盤
親との愛着、受容、好奇心、コンピテンスなど、動機づけを支える発達上の基盤について取り上げて検討する。 
9学びにおける動機づけ(1)
期待価値理論、自己効力理論、原因帰属理論、目標理論などに基づき、認知の側面から学びにおける動機づけのあり方について検討する。 
10学びにおける動機づけ(2)
興味の発達理論、フロー理論、不安の諸理論などに基づき、感情の側面から学びにおける動機づけのあり方について検討する。 
11自ら学ぶ力と動機づけ
自己調整学習理論について概説し、自律的に学ぶということ、自律的な動機づけのあり方、実践との関係について考える。 
12関係性と動機づけ
自己決定理論に基づいて関係性と内在化のプロセスについて説明する。人と人との関係性のあり方が動機づけといかにかかわっているかについて検討する。 
13教師と子どもの関係と動機づけ
関係性の理論をふまえて、とりわけ、教師と子どもの人間関係と動機づけの問題について検討する。 
14動機づけの喪失と支援
学習性無力感に関する諸理論、心理的ストレス理論などの知見についてふれ、実践上の問題や支援のあり方について検討する。 
15全体のまとめ
授業全体のまとめをし、理論上、実践上の課題や方向性について検討する。 
 
テキスト・参考書 テキストは使用しない。必要に応じて資料を配布する。参考文献を紹介し参照してもらう。 
自学自習についての情報 事前に紹介した資料については通読して吟味しておくことが望ましい。 
授業の形式 講義だけでなくプレゼンテーションないしグループワークの機会を設けるようにする。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 毎回の論述によるまとめとレポート(60%)及び授業への参加態度(40%) 
その他 特記事項なし