科目情報
科目名 学校経営の思想と理論 
クラス − 
授業の概要 自律的学校または自律的学校経営の構築は、現代の教育政策的、実践的課題となっている。そうした学校経営を構築するうえで必要な、もしくは踏まえるべき思想と理論を吟味し、これまでの学校経営について語られてきた言説や、それまで蓄積されてきた知を整理するとともに、現在及び今後の学校経営の思想と理論の方向について考察することで、自らの学校経営の認識と知見及び識見を育成することが本授業の目的である。とりわけ学校経営の担い手としてのスクールリーダーには、高度な経営力とリーダーシップ、そして高い識見が求められ、それらを支える学校経営の考え方や理論を備えていることが不可欠とされるからである。
「未知の知」から「新たな知」へ入り込み、それをわがものにし、「新たな知の創造」に向け、自己概念としての「知の世界」を形成するような作業を経験してほしい。 
授業の到達目標 「学校経営」ということが、どう語られてきたか、そしてそれがいかなる知的体系として形成されてきたかという観点から、現在、そしてこれからの学校経営の思想と理論を読み解く。 
授業計画
内容
1授業概要・オリエンテーション:授業の狙い、目標について、スクールリーダーとスクールミドルにとって、なぜ本授業が必要であるかという観点から説明する。 
2「学校経営」によって語り、それに期待してきたものについて考えることで、学校経営の概念や思想をつかむ。 
3戦後学校経営学説をオーバーヴューしながら、学校経営学における学校経営概念の誕生、展開、変化のアウトラインを探る 
4日本の学校経営の基調:学校経営政策を通してみた日本の学校経営の基調、性格、そこでの思想 
5学校経営学説史に学ぶ(1):工場的学校観・・・教育委員会は本社、学校は工場、校長は現場監督者、教師は?、子どもは?、親は? 
6学校経営学説にを学ぶ(2):学校経営の構造論争・・・学校にはライン組織がふさわしいか、スタッフ組織がふさわしいか 
7学校経営学説史に学ぶ(3):学校経営の主体論・・・学校の当事者はだれか、学校のガバナンスはだれが担うのか 
8学校経営学説史に学ぶ(4):「専門職的官僚制」論に立つ学校経営論・・・学校の組織原理として専門性と官僚制はどうあるべきか 
9学校経営学説史に学ぶ(5):学校自治論・・・学校の自治の可能性と課題 
10現代の学校経営論(1):自律的学校経営論、管理された学校から自律的学校へ 
11現代の学校経営論(2):学校参加・ガバナンス論、学校の当事者論・・・親の学校当事者性論 
12現代の学校経営論(3):学校経営論としてのスクールリーダーシップの思想と理論・・・スクールリーダー論(学校経営者か、学校管理者か、・・・)、スクールミドルは役割か、機能か、職制か、ミドルリーダーシップの本質は 
13これまでの授業を受けて議論(1):これからの学校経営はどうあったらよいかについて議論し、学校経営の思想、理論への認識を深める。 
14これまでの授業を受けて議論(2): 同上 
15本授業で、何を学んだか、足りなかったかをめぐって議論し、授業者、受講者それぞれの課題につなげる 
 
テキスト・参考書 参考図書:
 小島・熊谷・末松『学校づくりとスクールミドル』学文社、2012年
 小島・渕上・露口『スクールリーダーシップ』学文社、2010年
 佐古・會余田・武井『学校の組織論』学文社、2011年
小島弘道編『時代の転換と学校経営改革』学文社、2007年
中留武昭『自律的な学校経営の形成と展開』全3巻、教育開発研究所、2011年
堀内 孜編著『公教育経営の展開』東京書籍、2011年
  
自学自習についての情報 学校経営に対してどんな思いを寄せ、もしくはスタンスをとり、どんな学校経営を求め、理想として描くかについての自己概念を形成し、これからの学校経営の在り方についてさらなる自己概念を創造するという気持ちで学んでほしい。 
授業の形式 文献や論文を通して学校経営学説を説明し、また受講生が読み、報告し、議論するというかたちで授業を進める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 発表や報告、発言や議論の展開などに見る授業に対する参加の姿勢、積極性、内容(100%)
 
その他 特になし