科目情報
科目名 近現代史特講 
クラス − 
授業の概要 大正期から第二次世界大戦が終わるまでの日中関係について、中国側の話に力点を置いて解説する。この話は、日本近代史(政治史・外交史)を理解する前提としても重要なので、日本史を深めたいと考えている者も、受講しておいてほしい 
授業の到達目標 辛亥革命から中華人民共和国の成立までの中国の歩みと、日本との関わりを理解する。 
授業計画
内容
1辛亥革命−清朝の最後の改革とその失敗 
2袁世凱と段祺瑞の時代−日本の21ヶ条要求と西原借款 
3呉佩孚、中国国民党、中国共産党−国民党の再起と中国共産党の結成 
4国共合作と孫文の死−黄埔軍官学校の設立とその意味 
5第1次北伐−蒋介石の主導権確立への道 
6第2次北伐−日本の干渉の再開と国民党の軍事的勝利 
7「訓政期」の始まり−不平等条約の改正要求 
8軍閥解消への戦いと汪兆銘らの再起−中原大戦と汪兆銘の広州政府 
9満洲事変−日本軍の侵攻と蒋・汪の合同 
10日本への妥協策と共産党への強硬策−中国共産党の「長征」 
11日本の華北分離工作−「傀儡化」地域の拡大と国共の停戦 
12西安事件と日中全面戦争の始まり−2度目の国共合作と日中戦争 
13近衛声明と戦争の長期化−汪兆銘工作、米英の中国支援の本格化 
14太平洋戦争と中国−日本軍による圧迫とその敗退 
15国共内戦と中華人民共和国の成立−内戦と共産党の巻き返し 
 
テキスト・参考書 テキストは特に指定しない。 
自学自習についての情報 自学自習には、吉沢誠一郎ほか『シリーズ中国近現代史』全4巻、千葉正史『近代交通体系と清帝国の変貌』、横山宏章『孫文と袁世凱』、松本英紀『宋教仁の研究』、櫻井良樹『辛亥革命と日本政治の変動』、王柯ほか『辛亥革命と日本』、石川禎浩『中国共産党成立史』、阿南友亮『中国革命と軍隊』、高橋伸夫『党と農民』、家近亮子『蒋介石と南京国民政府』『蒋介石の外交戦略と日中戦争』、光田剛『中国国民政府期の華北政治』、川島真ほか編『東アジア国際政治史』、姫田光義・山田辰雄『中国の地域政権と日本の統治』、石島紀之・久保亨『重慶国民政府史の研究』、笹川裕史・奥村哲『銃後の中国社会』、笹川裕史『中華人民共和国誕生の社会史』、久保亨『1949年前後の中国』、奥村哲編著『変革期の基層社会』などを勧める。 
授業の形式 講義 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への参加状況(30%−7割の出席を単位認定の最低条件とする)と中間テスト(20%)とレポート(50%)。 
その他 本講義で扱う話の多くは、歴史学以外の様々な領域の論者(評論家、文学者、政治家など)が意見を述べているものである。そのそれぞれの歴史認識や方法論の是非も、本講義を通して考えてみてほしい。