科目名 |
英米文学講読IIIB |
クラス |
− |
授業の概要 |
シェイクスピア喜劇の代表作、Much Ado about Nothingの前半を読み、語学的な理解に焦点をあて、シェイクスピア劇の基本的な前提を学ぶ。一方で、映像や朗読テープなどを用いてせりふの響きに触れ、演じられるものとして味わう。 |
授業の到達目標 |
(1)シェイクスピア時代の英語,つまり初期近代英語の特徴を掴む。 (2)当時の英語から振り返って、歴史的に今の英語を理解する視点を得る。 (3)当時の背景や劇場構造、作劇法など、基礎的知識を修得する。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | Introduction: シェイクスピアの時代演劇と劇場――初期近代英国の演劇と劇場 |
2 | シェイクスピア時代の英語――代名詞、法助動詞、doのない疑問文・否定文 |
3 | I.i.1-90――劇の始まり方 |
4 | I.i.91-191――主要人物の登場 |
5 | I.i.192- 309――plot |
6 | I.ii.1-I.iii.69――弟という位置 |
7 | II.i.1-100――少年俳優 (1) |
8 | II.i.101-192――少年俳優 (2) |
9 | II.i.193-299――家父長制 (1) |
10 | II.i.300-II.ii.52――家父長制 (2);妨害者 |
11 | II.iii.1 - II.iii.90―― eavesdropping (1) |
12 | II.iii.91-188――手紙 |
13 | III.i.1-116――eavesdropping (2) |
14 | III.ii.1-122――love sickness |
15 | III.iii.1-91――malapropism |
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テキスト・参考書 |
教科書: Sheldon P. Zitner ed., Much Ado About Nothing (Oxford World's Classics) 978-0199536115 参考書: New Cambridge Shakespeare, Bantam Shakespeare, Macmillan Shakespeare, New Penguin Shakespeareなど、必要に応じて他の版本も参照のこと。 辞書: David Crystal, Shakespeare's Words (Penguin, USA) 978-0140291179 |
自学自習についての情報 |
抜群に面白い傑作だが、言葉遊びが分かりにくい箇所がある。日本人向け注釈書がなく、翻訳も上演用の意訳のため、参照しても構文等の理解にはあまり役立たない。 必ず予習し、授業で聞いた解説をしっかりノートにとって復習すること。Shakespeare's Wordsは予習に役立つ辞書。分厚いがペーパーバックはネット書店で2000円代で入手可。 翻訳で最初に劇全体の流れをつかみたい。図書館で筑摩書房のシェイクスピア全集、小田島雄志訳『から騒ぎ』(白水Uブックス)など利用可。松岡和子訳『から騒ぎ』(ちくま文庫)も優れている。ケネス・ブラナー主演の映画『から騒ぎ』がレンタル店にあ |
授業の形式 |
講義と演習 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
期末試験【初期近代英語の文法的知識と、テクストの語学的理解】 50% レポート【シェイクスピアの他の喜劇を読んで日本語で論じる】 50% |
その他 |
学期の最初に作品理解に必要な背景を講義するので、必ず出席すること。授業中に積極的に質問や発言をして、能動的に授業に参加してほしい。とくに上演テープを聴いたり、映像をみたりするときには、集中して分析的に鑑賞すること。 |