科目名 |
情報数学特論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
例年、受講者の大半が、現職教員や、教員志望の学生なので、教育現場で必要となる、情報処理技術あるいは、情報基礎理論の講義を行う。私の専門の1つが、人工知能であることから、その分野の講義が望ましいが、受講者の情報学に関する知識のレベルを考慮し、受講者の希望に沿った講義を行うものとする。したがって、最初から、私が何をやるかを決めるのではなく、第1回目の講義で、何をするかを受講者と相談の上決めることになる。たとえば、受講者が、人工知能という分野を希望した場合、以下の通りになるが、受講者の希望が異なれば、この通りに講義を進めるとは限らない。 |
授業の到達目標 |
人工知能における、主に定理の自動証明・自然言語処理・学習の3分野で開発された種々の理論・技術・数理的側面を理解し、それらを、教育現場に活用・応用できるような素養を育成する。 |
授業計画 |
定理の自動証明の教育への応用の5回の授業: 論理学を概観し、算数・数学の教員として知っておくべき、ゲーデルの不完全性定理についても述べる。さらに、形式論理学に関する講義により、公理と推論規則の重要性について述べ、今までに行われてきた、数学の定理の自動証明の試みについて、いくつか紹介する。この分野の講義により、今までの算数・数学教育のあり方や、算数・数学の教科書の構成や記述が、妥当であるかどうかを自分で判断し、改良の余地があるかどうかを議論できるような能力を養う。 自然言語処理の分野の教育への応用の5回の授業: 自然言語の構文解析の種々の方法を紹介し、その計算量を論ずる。この技術の応用として、数式の評価(数式の値を求めること)方法が考えられ、演算子の優先順位や結合規則を考慮して、式の木を経て、式を評価するまでの種々の方法を議論する。 学習の分野の教育への応用の5回の授業: 人間の思考・学習形式の代表的なものに、演繹・帰納・類推・発見的学習がある。それらを計算機上に実現する上で、記号主義 (symbolism) と結合主義 (connectionism) の対立があり、それらの理論や数理的側面を紹介しつつ、このような、学習の分野で得られた知見が、教育現場の教育に、どのように活用・応用できるかを議論する。最後に、創発についても議論する。
回 |
内容 |
1 | 授業全体のオリエンテーション 定理の自動証明の教育への応用 (1) |
2 | 定理の自動証明の教育への応用 (2) |
3 | 定理の自動証明の教育への応用 (3) |
4 | 定理の自動証明の教育への応用 (4) |
5 | 定理の自動証明の教育への応用 (5) |
6 | 自然言語処理の分野の教育への応用 (1) |
7 | 自然言語処理の分野の教育への応用 (2) |
8 | 自然言語処理の分野の教育への応用 (3) |
9 | 自然言語処理の分野の教育への応用 (4) |
10 | 自然言語処理の分野の教育への応用 (5) |
11 | 学習の分野の教育への応用 (1) |
12 | 学習の分野の教育への応用 (2) |
13 | 学習の分野の教育への応用 (3) |
14 | 学習の分野の教育への応用 (4) |
15 | 学習の分野の教育への応用 (5) |
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テキスト・参考書 |
第1回目の講義で、何をするかを受講者と相談の上決め、その決定に従い、購入していただくテキストを助言する。 |
自学自習についての情報 |
授業の進行に従い、自学自習すべきことを、適宜助言する。 |
授業の形式 |
教員が学生に知識を与えるだけではなく、学生が自分で調べて考えるという場を多く設ける。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
レポートにより評価する。 |
その他 |
7年前まで、本授業は「言語情報数学特論」という名称であったが、自然言語や、プログラミング言語のような人工言語といった言語に関する講義のみを行うわけではないので、6年前に、名称から「言語」を削除した。 |