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     | 科目名 | 分子免疫学 |  
     | クラス | − |  
 | 授業の概要 | 「ワクチンってなに?どうして予防接種をするのですか?」「急に花粉症になりました。僕の体に何が起きたのですか?」「乳酸菌が体に良いってどういうことですか?お腹の中に細菌がいるの?」もしもこんな質問がきたら、あなたはどうしますか?ごまかすことなく答えることができますか?子供は飽くなき探求者で、彼らにとって理科の教師は身近な科学者です。それらの話題は全て「免疫学」という学問の中で説明することができます。免疫学は細菌の発見の後、体が持つ生体防御機能、即ち“免疫系”の発見を端緒に、その体系的学問として確立し、遺伝学、生化学、分子生物学と共に大きく発展しました。生体が個体を維持するために進化させた免疫系について細胞/分子レベルで概説します。免疫系が認識する非自己と自己、各免疫担当細胞が果たす役割、相互作用の意味、作用機序、疾患の裏側にある免疫機能の効果と破綻、など幅広く学習します。理科系の学生は勿論、他分野の学生も、この機会に是非免疫学を学び、免疫機能の大胆さ繊細さから、自らの生命観を一新し、宇宙的視野で活躍できる新しい自分を見つけて欲しい。 |  
 | 授業の到達目標 | 以下の事柄について説明できることを到達目標とする。 ・個体(生命)の維持において免疫系が果たす役割
 ・免疫系が異物を排除し自己を維持する仕組み
 ・免疫組織/免疫細胞の機能・役割、またその差違
 ・免疫細胞の相互作用、特に獲得免疫において
 ・免疫機能の破綻と疾患の関わり
 その他、免疫機能について幅広く学習することを目指す。
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 | 授業計画 | 
   
    | 回 | 内容 |  | 1 | 免疫系とは何か? -自己と非自己, 個体を維持し生命を形作る- |  | 2 | 免疫系の進化とその構成 -免疫器官, 免疫細胞- |  | 3 | 自然免疫 -補体, 好中球, マクロファージ, NK細胞- |  | 4 | 獲得免疫 -抗体, B細胞, T細胞- |  | 5 | 細胞表面免疫グロブリンと抗体 |  | 6 | T細胞の抗原認識 -T細胞, TCR, 抗原提示細胞, MHC, TAP, cross presentation, proteasome- |  | 7 | B細胞の分化 -骨髄, 遺伝子再構成, 受容体編集 |  | 8 | T細胞の分化 -胸腺, 正と負の選択- |  | 9 | T細胞の活性化, 増殖, 分化 -補助刺激分子, サイトカイン, cross priming- |  | 10 | T細胞の機能 -感染防御, 抗腫瘍免疫, Tヘルパー細胞亜集団- |  | 11 | B細胞による抗体産生 -TI/TD抗原, クラススイッチ, IgM, IgG, 親和性成熟- |  | 12 | アレルギーと自己免疫疾患 |  | 13 | 慢性炎症と線維化 |  | 14 | 研究の話題1 -老化と免疫機能- |  | 15 | 研究の話題2 ?粉塵曝露と癌・自己免疫疾患- |  |  
 | テキスト・参考書 | テキストは使用しない。スライド供覧またはプリント資料配付によって授業を進める。以下の図書を参考書として予習復習することを奨励する。 ・エッセンシャル免疫学第2版, Peter Parham編, 笹月健彦監訳
 ・Janeway's Immunobiology, Murphy K, Travers P, Walport M, eds, Garland Science
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 | 自学自習についての情報 |  |  
 | 授業の形式 | 講義形式。 |  
 | 評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) | 講義後に提出を求めるレポート課題により評価する。 |  
 | その他 | 講義の内容について自分のノート読み直し復習すること。参考書があれば、該当する章を読み直すことで更に理解が深まるだろう。理科系の学生だけでなく、生物学、自然科学に興味のある幅広い学生の受講を期待する。 |  |