科目情報
科目名 暮らしと匠の知恵に学ぶI 
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授業の概要  人々の生活は,生きた時代や地域の環境を背景に,そこに住む人々によって築かれてきたもので,時代や環境にうまく適応した,無駄のない合理性をみてとることができる.地形や風向きを考慮した快適に過ごせる工夫がいっぱいの住まい,地域の資源を生かした独自の食べ物や産物作り,風土産業,周囲の自然環境や景観を生かした草木の植栽や心を和ませる作庭,歴史を反映し,かつ生活のために工夫した町作りなど,その地で永らく生きていくための様々な相違,工夫を見つけることができよう.これらは実際にその地に赴き,自ら発見することでその本質に触れ,自らの知恵に加えることができる.私たちはこうした人々の知恵を引き継ぎ,次世代に受け渡す義務がある.
 本授業は以上の視点から,人々が生き生きと生活している個性あふれた地域に身を置き,そこでの人々の暮らしや生業を観察・体験することで人々の生きる知恵を学び取る体験型の授業である.
本年は町全体が「まちかど博物館」として存在する三重県伊賀市(上野地区)にて,2泊3日の合宿形式で,8月の後半(日程は未定)に実施する。 
授業の到達目標  地域に根付き,工夫され合理的な人々の生活や匠の技に触れ,それらをできるだけ自ら体験することで地域生活や人々の技にみられる知恵を理解し,社会や人間にとって生活とは,技術(技能)とは何か,伝承すべき生き様とはどのようなものかを,その地の環境の中で模索し体得する. 
授業計画  夏期休暇中に集中授業で行う.特色のある地に合宿し,その間,現地の人々の暮らしや生業を数名程度のグループで尋ねて回り,調査・記録する.宿泊所にて毎日その結果をグループ同士で発表し,知り得たことや体験を共有しあう.訪問先や順番は事前にグループ内で話し合って立案する.各グループでテーマや調査対象を絞ってもよい.こうした体験を通じて,その地域そのものを理解する.調査場所は,三重県伊賀市を中心に,名張市や阿山町など周辺地域である.
 なお,事前に社会調査を実施するための講義を8月24日(月)15時から約2時間,大学にて実施の予定である。 
テキスト・参考書 事前授業の時に資料を配布する。また,現地での調査時に入手する資料も,重要な情報となる。 
自学自習についての情報 社会調査に関する書物や本音を聞き出すインタビューの仕方などを事前に調べ,研究して身に付けておくこと。 
授業の形式 調査場所における見学や体験,事前調査などに基づいてグループ内で議論しながらプレゼン用にまとめ,現地にてそれを研究発表することが中心となる. 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  調査や体験などの成果をレポートにまとめて提出する.その内容および見学・体験時の態度などを総合的に評価する. 
その他  本授業は4年間隔で実施する。従って,受講のチャンスは1回切りである。但し2年後に本授業のIIを実施する(調査実施場所はまだ未定.ちなみに前回は紀伊大島).
 なお受講学生は技術領域以外の学生も,一部受け入れる余地がある。