科目情報
科目名 精神医学特論 
クラス − 
授業の概要 1.児童精神医学について理解を深める。
2.精神医学的な対人理解力を身につける。
3.精神科での診断や治療が必要な事例を理解する。 
授業の到達目標 1.教員や臨床心理士として必要な基本的精神医学的知識を修得し、精神科医療と協同できるようになる。
2.児童生徒に対して適切な精神医学的な対応ができ、精神科受診の必要性を早期発見できるような高度化に対応できるようになる。
3.精神医学的な病理を持つ人を見分けることができるようになる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション、思春期精神障害の治療体験 
2児童精神医学総論 
3知的障害、発達障害 
4行動と情緒の障害 
5児童への対応と心の発達、愛着理論、対象関係論 
6パーソナリティ障害 
7神経症性障害、ストレス関連障害 
8気分(感情)障害 
9統合失調症および妄想性障害 
10症状性を含む器質性精神障害と精神作用物質使用 
11子どもの精神保健 
12子どもの心理査定 
13精神科での精神療法 
14精神科での薬物療法 
15児童精神医学のまとめ 
 
テキスト・参考書 テキスト:「テキストブック児童精神医学」井上勝夫著、日本評論社、ISBN978-4535984080
参考書:「学生のための精神医学第3版」太田保之ら編、医歯薬出版、ISBN978-4263235911
   「子どもの成長を支える発達教育相談 改訂版」鎌倉利光編、北樹出版、ISBN978-4779303654
「学校臨床 子どもをめぐる課題への視座と対応」本間友巳編、金子書房、ISBN978-4760823659
   「Atkinson & Hilgard's Introduction to Psychology,16th ed.」Nolen-Hoeksemaら著、Cengage learning EMEA、ISBN978-1408044100
辞書:「現代精神医学事典」加藤敏編、弘文堂、ISBN978-4335651434
「青年期発達百科事典」子安増生編、丸善出版、ISBN978-4621087992 
自学自習についての情報 第1回からテキストを使用するので持参すること。心理向けの平易なテキストであるが、心理専攻ではない学科専攻の学生にとっても解りやすい。基礎知識がなくても履修に支障ないと思われる。学校臨床に必要な精神医学の基礎をしっかり身につけよう。
精神医学事例を含む映画やドラマなどを紹介するが、これらを積極的に利用すれば、患者やクライエント、児童生徒理解の助けとなる。
授業で行うレスポンス課題は、テキストや参考書、図書館の資料等で内容理解を深め、使える実践的な知識としていく。
臨床心理士資格試験の精神医学分野過去問、精神保健福祉士国家試験の精神医学分野過去問には、文部科学省や厚生労働省が求めている援助職に必要な精神医学の内容が反映しているはずなので、きちんと対応しておくことが望ましい。 
授業の形式 DVDも用いた事例紹介をできるだけしながらの講義形式で展開するが、演習も含まれる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中に行われるレスポンス課題15%と期末試験85%で評価する 
その他 基礎的な生物学的人間理解として、神経生理分野は、学部授業での心理生理学で行っている。そこで指定されているテキストや、ヒルガードの心理学などに書かれている脳神経生理学的内容の復習は精神医学の理解にとても役に立つ。
精神医学の1つの専門分野である心身医学については、心身医学特論で詳しく学ぶ。すなわち大人の精神障害としても重要な内容である摂食障害などが重複を避けるため精神医学特論にはほとんど含まれていない。
成人の精神障害が授業時間の制約により十分には扱えないので、ホームワーク課題などとする。精神保健は、前期開講の学校保健特論IIで扱っている。また自傷や自殺などの学校危機介入に必要な精神医学については、次年度後期開講予定の保健体育科教育教科内容Xで詳しく扱われている。 *授業中紹介する事例について守秘義務を守る者でなければ履修できない。