科目情報
科目名 人文地理学特論 
クラス − 
授業の概要 【下記は学部の「地理学研究」の内容です。大半はこれに準拠します。】
◆特定地域における野外実習、およびそれに先立つデスクワークを通じて、地域を多面的に理解します。
◆今年度の特定地域(現地実習の実施地域)は大分県(豊後高田市、別府市)です。前者(豊後高田)では、古い佇まいを活用した「昭和の町」において、まちづくりの工夫を学びます。後者(別府)では歴史ある温泉保養地の最近の変化を見聞し、社会情勢の変化に影響される観光産業の実情を理解します。これらの両者は、いずれも小学校社会科、中学校社会科地理的分野、高等学校地理歴史科の地理だけでなく、小学校から高等学校までの文化史や経済史とも少なからず関係します。
◆現地実習について:日程はシラバス執筆時点で調整中ですが、8月上旬か8月下旬の夏季休暇中に2泊3日で現地実習を実施します。例年どおり現地集合&現地解散ですので、前後に私的な旅行を組み込むこともできます。
◆日程や集合・解散についての詳細は開講日までにB棟3階の香川研究室のドア横の掲示板に掲出します。開講日にはドア横のクリップボードに予備登録用紙を掲出します。
 
授業の到達目標 ◆多くを共通実施する学部「地理学研究」では次のような「学士力」を育成するための内容を掲げています。こうした能力の育成をサポートするために、大学院の受講生諸君には、デスクワークとフィールドワークの双方で率先してリーダーシップを取っていただきます。それが近い将来において教職に就いた時の自信につながるからです。
【「学士力」の内容に関する記載】
1.2泊3日の現地実習(フィールドワーク)を通じて,文化・社会・自然に関する知識が深められます。《知識・理解》
2、文献渉猟と文献紹介によって情報リテラシー能力を高めることができます。《汎用的スキル》
3.フィールそワークでの団体行動によって,学校教育現場で不可欠なチームワークの大切さを体験的に学ぶことができます。《態  度・方向性》
4.自然・社会・人文を総合した地理学的な地域観察によって,地域固有の問題点や長短所を見出し,改善を要する部分を創造的な取り組みで解決していける能力が育てられます。《総合的な学習経験と創造的思考力》 
授業計画 ◆4月:開講日より1週間の間に受講希望者は香川まで申し出てください。不在の場合は研究室のドアポストに「人文地理学特論受講希望」と記した紙に氏名と学生籍番号を添えて申し込んでください。
受講希望者は、特に下の「その他」に記した内容を了承のうえ、受講希望を申し出てください。
◆5〜7月:月に1〜2回の事前学習(受講生による論文紹介と質疑応答など。原則として水曜の午後、もしくは土曜日午後)。長い場合は4限の終了時刻を超えることもあります。アルバイトによる欠席は一切許可しませんので、そういう恐れがある諸君は受講を控えてください。
◆8月:2泊3日の行程で現地実習(現地での簡単なフィールドワーク及び宿舎での討論)を実施します。現地解散日から1週間以内に2000字程度(総字数)のレポートをメール添付など指定する方法で提出していただきます。レポート課題については現地実習中に指示します。締切に遅れたレポートは一切受け付けません。 
テキスト・参考書 ◆テキストは使用しません。
◆本授業科目(内容的に類似する科目を含む)についての過去10回分の実施記録は、京都教育大学教育実践研究紀要3号(2003)、同5号(2005)、同7号(2007)、同9号(2009)、同10号(2010)、第11号(2011)、第12号(2012)、第13号(2013)を参照してください。それぞれに所収されている論文タイトル(副題省略)は、3号が「東京を歩く」、5号が「道央探訪」、7号が「長崎ば、さるかんね」、9号が「道南〜道央のエクステンシブ型フィールドトリップ」、10号が「歩くぞなもし城下町」、11号が「歴史的遺産の…(以下省略)」、12号が「香川県地理学漫遊」、13号が「義務教育で重視される項目をたどる…(以下省略)」、14号が「長崎ば、さるかんね2」、15号が「阪神・淡路大震災の被災地の現在を歩く」です。このうち7号以降について、インターネットでも閲覧できます。 
自学自習についての情報 事前学習で紹介する地理学および周辺領域の論文は、できるだけ本格的な学術論文を探してください。簡単なエッセーなどを選ぶと、それ相応の知識しか得ることができず、卒業論文を執筆するときにも良いものを書くことができなくなります。探している文献が図書館や研究室で見つからないときは、図書館のレファレンスカウンターで相談して他機関所蔵資料の利用を申請してください。申込から1週間程度で複写された文献が届きます(高くないですが有料です)。国立国会図書館関西館の利用も有効ですし、ここで利用者証を作成(無料)しておけば、インターネット経由で国内にあるすべての文献を取り寄せる(こちらは有料)ことができるようになり、学習や研究の幅が一気に拡大します。 
授業の形式 5〜7月:演習形式による論文紹介と討論(デスクワーク[インドアワーク])
8月:現地実習(フィールドワーク)、授業時間外でのレポート作成 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ◆5〜7月の事前学習での積極性:30%
⇒発表だけでなく質疑応答についても評価対象です。
◆8月の現地実習での積極性:50%
⇒学部生をリードする能力(出欠管理のサポート、集団で歩くときの遅れの抑止)なども考慮します。
◆解散日から1週間後が締切のレポートの内容:20%
⇒内容を熟読して現地での行動や考察を評価します。提出期限に遅れると不合格になることがあるので注意してください。 
その他 ◆京都と現地との往復交通費、現地での交通費、宿泊料金、食費、旅行保険代金、雑費などの合計で4〜5万円を要します。
◆宿舎予約や旅行保険との関係で、ゴールデンウィーク後の指定期日に25,000円を集金します。また、その際、旅行保険の加入に必要なので、生年月日を届け出ていただきます。
◆現地までの往復は、基本的に受講生各自の自由です。乗車券類は各自で手配をお願いします。フェリー(2等)を使うと節約できます。