科目情報
科目名 中等道徳教育論 
クラス b 
授業の概要 この授業では、中等学校における道徳教育の意義についての認識を深め、さらに実際の指導を行ううえで基礎となる理論や方法について、多角的経験的に講義する。 
授業の到達目標 中学校における道徳教育とそれを取り巻く状況の歴史変遷、現状、さらにその意義について理解する。
今日の中学校における道徳教育実践および道徳授業実践の理論と方法について理解する。
中学校における道徳教育の基本的な指導能力を培う。 
授業計画
内容
1オリエンテーション (授業の役割、授業の展開、評価の方法、マナー、eラーニングシステムであるタイズTIESへのアクセス方法などについて話す。非常に細かいが重要な指示をする。) 
2道徳の年間実施 (中学校を例にとり、年間の特設道徳の展開を体験的に話すとともに、学生には自らの道徳学習の体験を想起させ、道徳授業のあらましを考えさせる。) 
3道について (道の歌や絵を鑑賞し、漢字の道の字源や空間の道と時間の道について話し、人生の道についても考えさせる。) 
4徳、道徳について (徳や道徳について多角的に話し、語の出典や意義ならびに「道」と「徳」の結びつきを考えさせる。) 
5修身について (第2次世界大戦以前の修身の成立とその変遷などを通して、道徳教育の歴史について考えさせる。) 
6「学習指導要領」における道徳について (戦後の「学習指導要領」における道徳の変遷と現行の道徳内容の構成などをなどを話す。道徳の教科化についても考えさせる。) 
7道徳性について (道徳性の発達に対する諸学説を紹介し、特にN.J.ブルの発達理論を詳説することによって、学生には道徳教育の目標である道徳性の概念について反省的に考えさせる。) 
8道徳性発達の最終段階である「自律」を検討させるために、色々な「じりつ」を挙げ、更にconscience、良心、良い心を比較検討し、学生には自己の良心について反省的に考えさせる。  
9道徳の指導内容 (道徳の指導内容の一例として「あいさつ」と礼儀について話し、日常的意義と指導方法について考えさせる。) 
10京都府教育委員会指導主事もしくは付属中学校の教員による道徳授業の実践的指導(1) 
11京都府教育委員会指導主事もしくは付属中学校の教員による道徳授業の実践的指導(2) 
12たとえと教育 (教育方法の原理ととしてのたとえを論じ、道徳の指導方法としての役割演技の理解につなぐ) 
13道徳の指導方法 (特に役割演技の道徳指導における実際的な意義と日常生活における意味について話し、マイクロティーチングの理解につなぐ) 
14マイクロティーチングの実施。代表学生3名に各自作成した道徳学習指導案の一部を授業させる。他の学生には生徒の役割を演じさせるとともに、評価者として評価させ、コメントを記入させる。 
15まとめとして、道徳を指導する教師像を考えさせる。教員免許に必要な形式的条件だけでなく、実質的な条件を通して理想の教師像を提示する。 
 
テキスト・参考書 中学校学習指導要領解説(道徳編)
小寺正一ほか編『三訂・道徳教育を学ぶ人のために』世界思想社 
自学自習についての情報 前時の授業の想起、語句や概念への理解を深化させ、自分の考えのまとめに、提示された練習問題に各自で取り組み、学生同士で解答を検討する。担当者から正解は提示しない。アクティヴ・ラーニングを意識しての故である。
テーマに沿った内容を、レポートのフォーマットに従って作成、印刷し、授業の最初に提出する。
次回の授業に該当する資料並びに教科書の箇所を通読しておく。(反転学習)
練習問題には学生相互に解答し合う。正解は提示しない。
プリントを整理してサブテキストとして毎回持参すること。
資料を閲読するために授業中コンピューターや携帯端末器を使用するのを認める。
試験の範囲は、教科書と資料(授業資料+参考資料) 
授業の形式 講義 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 試験(50%)+レポート(40%)+授業参加度(10%)
試験は25問。語群300語から正解を選択し記入する。用語や基礎概念の理解度を問う。
レポートは10通提出。規格外は減点する。課題に取り組む態度を評価する。
授業参加度は出席状況や授業態度で評価する。特に私語には厳しく対応する。
遅刻、欠席、態度などを点検するために、座席を指定する。
詳しい内容は、第一回の授業で説明する。 
その他(授業アンケートのコメント含む) 講師として指導主事の方や現職の先生をお呼びする予定です。