科目情報
科目名 中等国語科教育I 
クラス − 
授業の概要 前期中等教育(中学校)、後期中等教育(高等学校)の国語科教育を理解するために前提となる知識、理論について講じる.
また中学校、高等学校の典型教材に関する教材研究法の初歩に関する演習を行う。 
授業の到達目標 中等国語科教育に関するに一定の知識の習得、構造や知識の理解、初歩的な教材研究法の習得をめざす。 
授業計画
内容
1授業の内容、授業の進行方法に関するオリエンテーション。中等国語科教育の概要、構造と組織に関する講義。 
2全国学力・学習状況調査から見る中学校国語科の学力構造に関する講義。及び、中学校学習指導要領・高等学校学習指導要領に関する講義。 
3「竹取物語」の全編音読。6名グループを編成し、輪読形式で全編を音読していく。章段ごとに大意をまとめる。 
4中学校国語教科書会社5社における古典教材「竹取物語」の比較・検討。グループ別討議、及び成果発表。全体討議。授業者による補説、総括。 
5「竹取物語」の分析レポートの指示(全編のあらすじ整理、三箇所を選び出し、単元のねらい、時数、注、学習の手引き等を作成して単元を編成する)。 
6「竹取物語」の分析レポート(代表例6〜8名)をとり上げたグループ別討議、及び成果発表。全体討議。授業者による補説、総括。 
7漱石「こころ」の音読。6名グループを編成し、一人二箇所音読を担当することとして、全体の音読計画を立てる。音読を進めながら、まとまりごとに大意を確認する。最後まで読み通すこと(大意の確認を含めて)。 
8高校国語教科書会社8〜10社程度における近代文学教材「こころ」の比較・検討。グループ別討議、及び成果発表。全体討議。授業者による補説、総括。 
9漱石「こころ」の分析レポート(代表例6〜8名)をとり上げたグループ別討議、及び成果発表。全体討議。授業者による補説、総括。 
10高校古典教材「伊勢物語」の全文通読・分析レポートの指示(全125段について教材適性の評価及びその理由記述、3〜5箇所程度を選び出し、単元のねらい、時数、注、学習の手引き等を作成して単元を編成する)。 
11高校国語教科書会社8〜10社程度における古典教材「伊勢物語」の比較・検討。グループ別討議、及び成果発表。全体討議。授業者による補説、総括。 
12「伊勢物語」全章段教材適性分析レポート例の分析。「伊勢物語」自主単元作成の指示。「伊勢物語」自主作成単元のポスターセッションの方法及び要領の指示。 
13「伊勢物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の9箇所に発表場所設置。同時に9名発表。一回18分+評価記入5分。受講生は分散して聞く。次の9名が同様に発表する。前半3ステージで計27名が発表)。 
14「伊勢物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の9箇所に発表場所設置。同時に9名発表。一回18分+評価記入5分。受講生は分散して聞く。次の9名が同様に発表する。後半3ステージで計27〜30名が発表)。 
15「中等国語科教育」に関する総括。授業で扱った教材についての補説。中等国語科教育の授業者として必要な能力、及びその能力向上に関する補説。 
 
テキスト・参考書 授業に必要なプリントはその都度配布する。テキストとして『竹取物語』、『こころ』、『伊勢物語』を使用する。同一の文庫本を使用するため、入手の指示を適宜行う。これらのテキストはレポートにも使用する。授業における演習だけでは、教材研究力は身につかないので中学校国語教科書、高校国語教科書の教材を用いて自分で教材研究の修練を積むことが必要である。 
自学自習についての情報 古典作品「竹取物語」「伊勢物語」以外の平易な「枕草子」「徒然草」「土佐日記」「更級日記」等を読んでおくことが望ましい。口語訳付の文庫本でよい。 
授業の形式 講義、グループによる討議・話し合い、発表活動等を複合して授業を進める。受講生の人数により形式を変更することがある。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 複数回のレポートの内容(提出回数も含む)(50%)を評価するとともに、演習発表の内容・質(30%)、授業における討議参加の状況(20%)を含めて総合的に評価を行う。 
その他(授業アンケートのコメント含む) 「中等国語科教育II」における本格的、総合的な中等国語科教育の理解の前提となる部分を扱う。教材研究法に関しても入門的な方法を扱う。扱う教材の順序が異なる場合がある。