科目情報
科目名 国語学特講B 
クラス − 
授業の概要 今年度は「日本語を疑う」をサブテーマとする。
「ことば」は我々に馴染み深いものであり、「一般常識」とされるものや、教育現場や概論的な授業、一般書などを通して、ことばについての言説に触れる機会も少なくない。しかし、常識的とされる事柄がどのような根拠の元になりたっているのか、という点に触れられることは少なく、また、それらが持つ問題が必ずしも共有されていない場合もある。この授業ではこのような問題意識から、いわゆる一般常識や通説・定説に疑いの目を向け、検討を行う。
毎回の講義では特にテーマとなる日本語のトピックについて概説を行い、それらの通説・定説などを確認する。その上で、それらに対して批判的な視点からなされた論などを取り上げつつ、改めて検討を行う。
なお、講義中に紹介する論は必ずしも広く共有されている立場ではないものも含まれるが、ここでは疑問を持ち批判的な視点から論じる、という点に重点をおいて欲しい。 
授業の到達目標 1.日本語に対する一般常識、通説などを把握している
2.日本語に対する一般常識、通説などに対して批判的な立場から論じることができる 
授業計画
内容
1ガイダンス 
2「正しい日本語」を疑う@―ら抜きことばは「乱れ」なのか? 
3「正しい日本語」を疑うA―ガ行鼻濁音は美しいのか? 
4日本語史を疑う@―キリシタン・ローマ字のfは[Φ]なのか? 
5日本語史を疑うA―四つ仮名とは何か? 
6日本語史を疑うB―「四つ仮名識別法」は何を言っているのか? 
7日本語史を疑うC―上代特殊仮名遣いとは何か? 
8日本語史を疑うD―上代特殊仮名遣いとは何だったのか? 
9語源説を疑う―「ムショ」は「刑務所」の略ではない 
10古典の解釈を疑う―「しほといふ字はいづれの偏にか侍らん」 
11教科書を疑う@―ここが変だよ活用表 
12教科書を疑うA―活用表を用いなくてもなんとかなる 
13教科書を疑う@―係り結びとは何か? 
14教科書を疑うA―係り結びは「法則」だったのか? 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 テキスト:特に指定しない。授業中に必要に応じて配布する。
参考書:「国語学」「日本語学」「国語史」「日本語史」などに関わる文献で基本的な事項を確認しておくこと。 
自学自習についての情報 毎授業のはじめに、数名を指名し、前回の授業内容に関する質問をするので答えられるようにすること。
毎授業リアクション・ペーパーを配布し、毎回の授業の要約を行うので、自分の理解を整理すること。 
授業の形式 講義 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) テスト80%
リアクション・ペーパーの質(出席点ではない)20%
 
その他(授業アンケートのコメント含む) 指名により意見を求めることがある。積極的な参加を求める。