科目名 |
英米文学講読IIB |
クラス |
− |
授業の概要 |
ヘンリー・ジェイムズ(Henry James, 1843-1916)の中編小説The Turn of the Screw(1898)の後半を読む。ジェイムズはニューヨーク出身のアメリカ人だが、生涯のほとんどをヨーロッパで過ごし、晩年にはイギリスに帰化している。この小説の舞台は19世紀のイギリスだが、アメリカとイギリスという二つの背景を持つ作家が、19世紀が終わりを告げようとしている頃に書いた作品であり、複雑な要素をはらんでいる。複雑さは小説の背景のみならず、その語りの構造にも表れており、発表されて以来、様々な解釈が行われてきている。そのような多様な解釈を生む英文を精読することによって、言葉の持つ重層性を意識し多面的な読みが行えるようになってもらいたい。関連する他の作品や映像、これまでどのような解釈(批評)が行われてきたのかも参照する。また、作品を読み終えた上で、結末とそこへ至る語りについて自分なりの解釈を考えてもらう。 |
授業の到達目標 |
・小説を精読することを通して、英文読解力を養う。 ・小説には様々な解釈が可能であることを知り、読み取った内容をもとにして、自分なりの解釈を組み立ててみる。 ・小説の背景となっている19〜20世紀にかけてのイギリスの文化や社会について理解を深める。 |
授業計画 |
以下のように進める予定だが、進度は受講生の理解度によって調節する。
回 |
内容 |
1 | 授業予定への説明、作品前半の振り返り |
2 | Chapter XIII |
3 | Chapter XIV |
4 | Chapter XV |
5 | Chapter XVI |
6 | Chapter XVII |
7 | Chapter XVIII |
8 | Chapter XIX |
9 | Chapter XX |
10 | Chapter XXI |
11 | Chapter XXII |
12 | Chapter XXIII |
13 | Chapter XXIV |
14 | Review 1 |
15 | Review 2 |
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テキスト・参考書 |
テキスト:Henry James, The Turn of the Screw (Penguin Classics, 2011) ISBN:9780141441351 参考書: 授業中に提示する。 |
自学自習についての情報 |
予習は必須。毎回、予習箇所を指定するので、しっかり準備したうえで授業に臨むこと。時間の関係で授業中に扱わない部分もあるが、邦訳なども参考にして物語の筋を把握しておいてほしい。 |
授業の形式 |
演習形式。 受講者は毎回指定する箇所の予習を行い、授業中に和訳、要約、内容確認問題への解答などを発表する。教員はそれに対する解説を加える。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業態度+発表内容(30%)、課題(20%)、期末試験(50%)により、総合的に評価する。 ※授業回数の1/3以上を欠席した場合は単位を認めない。30分以上の遅刻・早退は欠席とみなす。また、遅刻・早退・退出 は3回で1回の欠席とみなす。 |
その他(授業アンケートのコメント含む) |
・前期に開講される英米文学講読IBと後期に開講される英米文学講読IIBは、それぞれ独立した授業であるが、同じ作品をテキストに使用し、前期の授業内容をもとに後期の内容を展開する予定である。後期のみを受講する場合は、前期に扱う部分をあらかじめ読んで把握しておいてほしい。 ・必ず予習してくること。予習をせずに授業中に辞書を引くといった行為は認めない。 ・授業に辞書を持参すること。 |