科目情報
科目名 精神医学特論 
クラス − 
授業の概要 1.学校臨床に必要な精神医学について理解を深める。
2.精神医学的な対人理解力を身につける。
3.精神科での診断や治療が必要な事例を理解する。 
授業の到達目標 1.教員や臨床心理士として必要な基本的精神医学的知識を修得し、精神科医療と協同できるように高度化する。
2.児童生徒や保護者に対して適切な精神医学的初期対応や精神疾患早期発見ができるような高度化に対応できるように高度化する。
3.精神医学的な病理を持つ人を見分けることができるように高度化する。 
授業計画
内容
1オリエンテーション、精神医学の歴史、心理の基礎となる脳科学 
2精神医学とは何か、精神障害の定義と分類、精神医学総論、治療法 
3外因性精神障害総論、各論1:認知症 
4外因性精神障害各論2:物質関連障害(アルコール、タバコ、覚せい剤、大麻、麻薬など) 
5内因性精神障害総論、各論1:統合失調症 
6内因性精神障害各論2:その他の精神病性障害群 
7内因性精神障害各論3:双極性障害 
8内因性精神障害各論4:抑うつ障害および気分(感情)障害群 
9心因性精神障害総論、各論1:分離不安、選択性緘黙、恐怖症と社交不安症 
10心因性精神障害各論2:パニック症、恐怖症、不安障害群 
11心因性精神障害各論3:強迫症 
12心因性精神障害各論4:心的外傷およびストレス関連障害 
13心因性精神障害各論5:解離症群、変換症 
14児童思春期の精神障害:神経発達症群(知的発達症、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症)、秩序破壊的衝動制御素行症候群 
15パーソナリティ障害群 
 
テキスト・参考書 教科書:「専門医がやさしく語るはじめての精神医学」渡辺雅幸著、中山書店、ISBN978-4521742571
「こころの健康診断」ニュートン別冊 仮屋賜聡著、ニュートンプレス、ISBN978-4315-520293
参考書:「子どもの成長を支える発達教育相談第3版」鎌倉利光編、北樹出版、ISBN978-4779303654
「学校臨床 子どもをめぐる課題への視座と対応」本間友巳編、金子書房、ISBN978-4760823659
   「Atkinson & Hilgard's Introduction to Psychology,16th ed.」Nolen-Hoeksemaら著、Cengage learning EMEA、ISBN978-1408044100
辞書:「縮刷版 現代精神医学事典」加藤敏編、弘文堂、ISBN978-4335651700 
自学自習についての情報 第1回から教科書2冊とも使用するので持参すること。平易なテキストとビジュアル図録のペアを教科書としている。
心理専攻ではない学科専攻の学生にとっても解りやすい。基礎知識がなくても履修に支障ないと思われる。学校臨床に必要な精神医学の基礎をしっかり身につけよう。
精神医学事例を含む映画やドラマなどを紹介するが、これらを積極的に利用すれば、患者やクライエント、児童生徒理解の助けとなる。
授業で行うレスポンス課題は、テキストや参考書、図書館の資料等で内容理解を深め、使える実践的な知識としていく。
臨床心理士資格試験の精神医学分野過去問、精神保健福祉士国家試験の精神医学分野過去問には、文部科学省や厚生労働省が求めている援助職に必要な精神医学の内容が反映しているはずなので、きちんと対応しておくことが望ましい。 
授業の形式 DVDも用いた事例紹介をできるだけしながらの講義形式で展開するが、演習も含まれる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中に行われるレスポンス課題15%と期末試験85%で評価する 
その他(授業アンケートのコメント含む) 基礎的な生物学的人間理解として、神経生理分野は、学部授業での心理生理学で行っている。そこで指定されているテキストや、ヒルガードの心理学などに書かれている脳神経生理学的内容の復習は精神医学の理解にとても役に立つ。
精神医学の1つの専門分野である心身医学については、心身医学特論で詳しく学ぶ。精神障害としても重要な内容である身体症状症群や摂食障害などが重複を避けるため精神医学特論にはほとんど含まれていない。そのため精神医学の全体を履修するには心身医学特論の受講がその補完となる。
*授業中紹介する事例について守秘義務を守る者でなければ履修できない。