科目情報
科目名 学校教育実践総論IX 
クラス − 
授業の概要 本科目は「学校心理学総論」というサブタイトルがつく。学校の教員にとって必要な学校心理学の基礎知識を講義する。
文部科学省も「チーム学校」について提言している。学校心理学では、「チーム援助」がベースとなっており、「チーム学校」
の在り方についても触れたい。 
授業の到達目標  学校心理学の概要が理解でき、学校心理学の視点から授業実践や学習指導、教育相談・生徒指導・進路指導に活かせることを目指す。 
授業計画
内容
1学校心理学とは何か−臨床心理学・カウンセリング心理学・学校心理学の異同,心理教育的援助サービスの種類(一次・二次・三次的援助サービス) 
2心理教育的援助サービス−4種類のヘルパー,援助サービスのシステム,校内委員会の在り方 
3特別支援教育と学校心理学(1)−2007年度からスタートした特別支援教育とこれまでの特殊教育との違い,知的発達の遅れのない発達障害(LD,ADHD,高機能自閉症,アスペルガー障害など),個別の指導計画と個別の教育支援計画, 
4特別支援教育と学校心理学(2)−特別支援教育におけるアセスメント,特別支援学校の特徴,特別支援学級の特徴,通級における指導,特別支援教育支援員,特別支援教育コーディネーター,特別支援学校の指導要録 
5学校心理士の活動(1)−アセスメント,コンサルテーション,コーディネーション,カウンセリング 
6学校心理士の活動(2)−治療的教育相談・生徒指導,予防的教育相談・生徒指導,開発的教育相談・生徒指導 
7チーム援助(1)−チーム援助とは,作戦会議,教師へのコンサルテーション,保護者へのコンサルテーション,相互コンサルテーション,自助資源と援助資源 
8チーム援助(2)−チーム援助の実習,援助シートの活用,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携 
9学校参観実習−京都府立の特別支援学校の授業参観と学校心理士の先生からの講義(事例を含む) 
10学校心理士の倫理−心理教育的援助サービスを実施するにあたっての配慮事項,守秘義務と共同守秘義務,人権の尊重,心理検査の使用に際しての留意事項,ケースレポートをまとめるあたっての留意事項 
11学校心理士の活動(3)−進路面の援助(キャリア教育とキャリアカウンセリング),健康面の援助(養護教諭との連携) 
12特別講義−京都府の学校心理士の資格を持った校長先生の講義(学校経営・学級経営,生徒指導・教育相談,学習指導に果たすべき学校心理学及び学校心理士の役割) 
13ケースレポートの書き方とスーパービジョン 
14学校心理士の活動(4)−学習面の援助(学習指導と学校心理学,個に応じた指導,教育評価の改善) 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 教科書 水野治久・石隈利紀他(編) 『よくわかる学校心理学』 ミネルヴァ書房
参考書 石隅利紀 『学校心理学』 誠信書房 
学校心理士認定委員会(編) 『学校心理学ガイドブック第3版』 風間書房 
自学自習についての情報 学校参観実習、ロールプレイ実習などを取り入れた体験型授業になります。そのため、遅刻をせずきちんと出席すること。受け身的な受講態度にならないようにして下さい。 
授業の形式  講義形式で行う。受講者は事前に教科書の該当箇所を熟読し、授業に臨まれたい。「チーム援助」のところでは,ロールプレイを行い,また,学校参観実習も行うので,欠席・遅刻するとレポートが書けなくなることに留意されたい。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  レポートと出席状況,期末試験を総合的に評価する。テキストは幅広い内容が含まれているので,授業の予習・復習をしっかりして頂きたい。 
その他(授業アンケートのコメント含む)  本科目は「学校心理士」の資格取得のための必修科目(I「学校心理学」に該当する)である。
学校心理学を学ぶための導入科目であるため、1回生で履修されたい。履修(科目選択)の仕方,認定試験やケースレポートの書き方についても適宜触れるので,欠席しないようにして欲しい。学校参観を行い,レポート提出を求める。他の学校心理学関連科目の受講条件では、本授業の単位取得を前提とするものがある。
 学校心理学や学校心理士に関する教育雑誌や新聞記事などのコピーを随時配布する。受講生は,日常から教育問題に関心をもって頂きたい。
実地指導講師の先生(学校心理士有資格者)からの講義(2回)を含む。