科目名 |
自然地理学特論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
紀伊山地の中心部は隆起傾向にあり、河川の旺盛な浸食活動のために、急峻な地形が卓越する。一方、沿岸部、特に東部と西部は沈降傾向にあり、各所にリアス式海岸が分布する。その結果、紀伊半島は平坦面の少ない地域となっている。このような地域における人間活動(産業や集落の形態など)を視察する。また、紀伊半島の沿岸には塩類風化・乾湿風化・差別侵食等によって形成された興味深い地形が発達し、その多くは天然記念物となっている。道中、それらの形成プロセスを説明する。 |
授業の到達目標 |
各種の海岸地形についてその形成プロセスを理解する。また、平坦面の狭い土地における人間活動について理解を深める。 |
授業計画 |
11月:説明会・事前学習会(日時は未定) 12月 から2月:巡検(具体的日程は説明会時に調整)
1日目 ・和歌山県の産業(果樹農業に特色を持つ理由) ・中央構造線を挟む内帯(北側)と外帯(南側)の地質と地形 ・津波防災教育センター「稲村の火の館」(和歌山県広川町) ・白良浜(白砂はどこから来たか?)と円月島(波の侵食によって形成された“穴”) ・泥岩岩脈(過去の地震の記録)と化石漣痕(波が砂質海底に造った縞模様の化石) (和歌山県田辺町泊)
2日目 ・三段壁と千畳敷(岩石海岸の地形) ・和歌山県南端部の「橋杭岩」の形成(岩脈の差別侵食) ・和歌山県古座川町の「虫喰岩」(風化地形) ・和歌山県古座川町の「滝の拝」(紀伊半島が隆起の証拠) ・三重県熊野市の「鬼ケ城」と和歌山県古座川町の「虫喰岩」の形成(風化地形) ・熊野灘「七里御浜」の海岸地形 (和歌山県新宮市泊)
3日目:白浜周辺の地形 ・那智滝の形成(地質の境界に形成された滝) ・熊野灘「七里御浜」の海岸地形(礫浜の地形) ・丸山千枚田(棚田減少の背景) ・三重県熊野市の「鬼ケ城」(風化地形) ・尾鷲の位置と地形と降水量の関係
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テキスト・参考書 |
テキスト・参考書はない。資料を配布する。 |
自学自習についての情報 |
和歌山県と三重県に関する基本情報(人口や産業など)を予習しておくこと。 |
授業の形式 |
冬季に巡検(集中実施)の形式で実施する。なお、事前に説明会と学習会を行う。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
事前と事後の報告書の内容、実習中の積極性等で評価する。 |
その他(授業アンケートのコメント含む) |
交通費と宿泊費のために、2万円程度が必要である。 |