科目名 |
保健体育科教育特別演習I |
クラス |
− |
授業の概要 |
体育における健康・体つくりのあり方について、その理念、教育目標、内容、実際の教育プログラムの諸側面から検討を行う。この中で特に、アメリカで発展してきたフィットネス教育に注目するとともに、痩身願望や身体への内観的運動プログラムの普及などの社会事象も取り上げ、からだの教育の方向性について考究する。さらに、フィットネス教育プログラムの具体例を検討し、小学校から高校段階のプログラムの可能性を探る。同時に、体育のカリキュラム研究法に関して、体育実践の場に生起する個別の事象や多様な個人の視点から問題をとらえる質的アプローチについて検討する。 |
授業の到達目標 |
これまでの体育における健康・体力つくりのあり方について、その理念、教育目標、内容、実際の教育プログラムの諸側面から批判的視点に立って考察ができる。アメリカにおけるフィットネス教育の内容を理解するとともに、健康や体力に関する新たな社会事象に関心を向ける。フィットネス教育など新しいからだの教育のカリキュラムについて、具体的なイメージを構想し、実際のプログラムの可能性を探求する。 |
授業計画 |
1.1−2週 体育研究における質的アプローチの手法と事例 (1) 体育研究における質的アプローチの意味と手法 (2) 体育研究における質的アプローチの事例 2.3−9週 アメリカのフィットネス教育を参照しつつ、世界的な学力観の転換、日本の体力問題とその対応について概観し、以下のテーマについて分担発表をする。 (3) 学力観の転換と体育科教育 (4) 子どもをとりまく健康・体力問題 (5) 日本の学習指導要領の変遷と体力目標の位置づけ (6) アメリカのフィットネス教育プログラムの理念と実際 (7) 体力向上キャンペーンの具体例を考える (8) 健康・体力に関する新たな社会事象 (9) 身体・運動・健康に関する意味理解としてのフィットネス教育 3.10−15週 体育の教育課題と対応するプログラムの検討 (10) 体つくり運動への批判的検討 (11) オリンピック教育への批判的検討 (12) 具体的なプログラムの創案と検討(1) (13) 具体的なプログラムの創案と検討(2) (14) 具体的なプログラムの創案と検討(3) (15) 具体的なプログラムの創案と検討(4) 4.評価とまとめ |
テキスト・参考書 |
<参考書> 「体力づくりからフィットネス教育へ−アメリカの体育教育と身体づくりへの責任」(明石書店) 「質的調査法入門」S.B.メリアム(ミネルヴァ書房) <参考資料> Fitness for Life(5th Ed.) Corbin, C.B. and Lindsey,R. (2005) Scott,Foresman and Co.: Glenview. 他,適宜資料配布 |
自学自習についての情報 |
|
授業の形式 |
討議、研究発表 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
出席の状況(75%以上の出席)、レポートの提出、発表の状況 |
その他(授業アンケートのコメント含む) |
協同学習など新たな学力観に基づいた学習方法を授業の中により多く取り入れ、その中で体育科教育の理念と実践の往還が繰り返されるように工夫をする。 |