科目名 |
肢体不自由概論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
肢体不自由をきたす疾患にはさまざまなものがあり、経過や合併症、予後が異なる。代表的な疾患である脳性麻痺の場合でも、重度の麻痺では姿勢運動面の問題は、単に移動ができないだけではなく身体の変形や生命維持に関わる呼吸や摂食嚥下機能、消化機能の障害をひきおこし、さらに精神遅滞やてんかんをともなう重複障害の病像をとる。比較的軽度の麻痺でも精神発達・認知機能の発達に障害をもっていたり心の問題をかかえる場合もある。授業では1.肢体不自由をきたす主要な疾患について医学的側面、心理的側面、社会的側面から学ぶ。2.総説的な内容だけでなく症例について考察する学習により理解を深める。 |
授業の到達目標 |
肢体不自由をきたす主要な疾患について病態、合併症、予後の概要を理解し、その上で、教育上配慮すべき点、学校を含む生活の場で必要な対策・可能な対策について説明できる。また他機関との連携を円滑に行うために必要な、リハビリテーションなどの医療や福祉施策の基礎知識を習得し、児童に対しての総合的な支援のあり方を説明できる。 |
授業計画 |
肢体不自由の原因となる疾患には、先天的なもの、周産期の障害によるもの、新生児期以後の後天的な障害によるものなどさまざまなものがあり、重症度や合併症もさまざまである。重症例では“肢体不自由”は姿勢や運動の問題だけではなく、生命維持に必要な呼吸や摂食嚥下の問題もともない、いわゆる医療的ケアを必要とする児童も多くなってきている。また運動面の問題に加えて感覚系の問題や精神心理的問題をもつことも少なくない。これらの児童に対して学校での教育・生活を保障していくためには、特性を理解し、また“発達”という視点をもつことが不可欠である。乳幼児期にひきつづいての学齢期は、生涯を見通した中でも重要な時期である。授業の中では、肢体不自由をきたす主要な疾患についての基礎的な知識を解説するとともに、学齢期にはどういう課題がありどのような対応が必要かを把握できることをめざす。個人情報に抵触しない範囲で症例の紹介により具体的なイメージや問題意識をもてるような講義とする。またビデオ教材なども適宜利用する。
回 |
内容 |
1 | 肢体不自由児の概念:歴史と現況 |
2 | 中枢神経・末梢神経の生理と病理 |
3 | 発達の正常と異常 |
4 | 代表的な原因疾患(1)二分脊椎 |
5 | 代表的な原因疾患(2)筋ジストロフィーその1 |
6 | 代表的な原因疾患(2)筋ジストロフィーその2 |
7 | 肢体不自由の原因となるその他の疾患 |
8 | 代表的な原因疾患(3)脳性麻痺その1 |
9 | 代表的な原因疾患(3)脳性麻痺その2 |
10 | 合併症とその対応(1)精神遅滞および認知面の問題 |
11 | 合併症とその対応(2)摂食嚥下機能障害 |
12 | 合併症とその対応(3)呼吸器系、消化器系の問題と身体の変形 |
13 | 肢体不自由の機能評価とリハビリテーションの視点からみた肢体不自由 |
14 | 心理的課題とその支援について |
15 | 総括 |
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テキスト・参考書 |
授業では教科書は使用しません。 参考書 知りたかった! PT・OTのための発達障害ガイド 新田 收,笹田 哲,内 昌之(編) 金原出版 4830円 |
自学自習についての情報 |
毎授業後にレジメを再度目を通し復習すること、図書館、インターネットなどでさらに発展的な自学習を行うこと。 |
授業の形式 |
パソコン(パワーポイント)を中心とし、ビデオも利用する。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
筆記試験 70% 授業態度・課題レポート 30% |
その他(授業アンケートのコメント含む) |
担当者は小児科医師、小児神経を専門にしています.現在、大阪大谷大学教育学部特別支援専攻で教鞭をとる傍ら亀岡市内の花ノ木医療福祉センターの発達外来に週1回勤務しています。 |