科目名 |
哲学研究 |
クラス |
− |
授業の概要 |
この授業では哲学書を取り上げ、読解し問題を見出す力、主張をまとめて発表する力、自分の考えを伝え他者と議論する力を養ってもらう。本年度は、プラトンの『国家』第1-2巻を読む。『国家』は古代ギリシアの哲学者プラトンの主著である。第1-2巻では『国家』の主題である正義の問題が提示される。 誰にも見られず、罰せられる恐れがないならば、人は悪事をはたらくのが当然である。人が不正を行うのは、それが本人にとって利益だからなのではないか。結局のところ正義とは、それを行う本人にとって本当に利益なのだろうか。正義は何かの役に立つのだろうか。 約2500年前に書かれた著作であるが、現代にも大いに通じる問題が論じられる。こうした問題に直面した時に、人はどんな応答が可能なのか。プラトンの思索を読み解きながら、一緒に考えて行きたい。『国家』第1-2巻を読み終えた後は、現代社会の問題に関連づけて、それぞれの考えを発表してもらう。 |
授業の到達目標 |
読む力、考える力、発表する力を身につける 将来、教員として社会や倫理・道徳の問題を扱う際に、深い洞察力と多様な考え方をもって論じることができるようになる |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | 1. オリエンテーション:授業の進め方について |
2 | 2. プラトンの思想、『国家』の歴史的背景についての解説 |
3 | 3. 第1巻1?6章:ケパロスとの対話 |
4 | 4. 第1巻7?12章:ポレマルコスとの対話「正義とは相手のものを返すこと」 |
5 | 5. 第1巻13?19章:トラシュマコスとの対話1「正義とは強者(大衆)の利益」 |
6 | 6. 第1巻20?24章:トラシュマコスとの対話2「不正は利益になるのか」 |
7 | 7. これまでのまとめ |
8 | 8. 第2巻1?5章:グラウコンの問題提起「ギュゲスの指輪」 |
9 | 9. 第2巻6?9:アデイマントスの問題提起「正義はそれ自体で利益なのか」 |
10 | 10. 第2巻10?16章:国家のあり方について |
11 | 11. まとめ |
12 | 12. 研究発表1 |
13 | 13. 研究発表2 |
14 | 14. 研究発表3 |
15 | 15. 総括 |
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テキスト・参考書 |
テキスト プラトン『国家(上)』(藤沢令夫訳)、岩波文庫、1979年。
参考書 適宜、紹介するとともに、授業時に資料として配布する。 |
自学自習についての情報 |
第11回までは事前にテキストを読み、各自問題を考えて授業に臨むこと。 第12回以降は研究発表のために、必要な調査をすること。 |
授業の形式 |
主に演習形式 |
アクティブラーニングに関する情報 |
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評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
平常点(演習での発表、議論への積極的参加)60% 研究発表40% |
その他(授業アンケートのコメント含む) |
特になし |