科目情報
科目名 初等図画工作科教育 
クラス a 
授業の概要 この授業は,現代の小学校図画工作科を指導するにはどうすべきか,目標構造・内容特性ならびに指導方法について研究する。授業では,指導案の立案と模擬授業を行い実践的な指導力向上を目指している。教科指導は,内容と指導方法が密着した関係にある。まず,教材研究を経験しながら,「発見」「発想」「遊び」など創造過程の特質を学び,指導過程にいかに編成していく必要があるのか,子どもの主体性や個性を引きだす指導や評価のあり方を考察する。  
授業の到達目標 (1)小学校の図画工作科のカリキュラムの目標と学習内容領域の基本を知る。
(2)小学校の指導計画(年次・年間・単元など)の立案方法を知る。
(3)教材研究を深め,模擬授業の実施体験から教育実践の全体的なイメージをつかむ。
(4)注入教育を克服するカウンセリングマインド的な指導法等の意義を考える。
(5)子どもの芸術的な作品や学習過程の多元的な評価方法を考える。
 
授業計画
内容
11.ガイダンス
 図画工作科教育の意義(子どもの感性・創造性から),理想とする図画工作科の先生像(アクティブラーニング方式),我が国の  学習指導要領の基本構造と学習領域 
22.4つの題材研究
 @【造形遊びの教材研究】
   水彩絵の具の遊びー感じる心,発見,発想する心ー
    水と水彩絵の具(体験実習)
 
3 A大きな空間での新聞紙,きらきら紙の遊び(体験指導) 
4 B【感じたことや想像したことを絵や立体,工作に表す活動の教材研究】
図画工作科の指導の背景をなす基礎知識、テキスト「造形コース」の作品を1つ選んでつくる。
 
5 C【鑑賞の教育】
   「子どもの生活,我が国,世界の文化,地域の文化」
   子どもの感じる心を育てる鑑賞〜「諸外国『隠された絵の秘密』」,鑑賞ノートの作り方,自らの言葉で関わる鑑賞〜
  
63.学習指導要領における図画工作科
 世界の図画工作科(フィンランドで開始) 日本の黎明期の図画工作
 現代の指導内容の系統性や構造 
74.【教科書分析】
 ゲストティーチャー(京都市教育委員会指導主事)からの講話で実践を知り、教科書分析に活かす。
 教科書を自分たちで手にして,班で図画工作科の教科書を読み,学年毎にどのような内容が取り扱われているか
ディスカッション・交流発表会をする。題材の編成〈小学校の教科書から〉 
85.【子どもの思いを取り上げる,教科のカウンセリングマインドを生かした指導法など】
 創造的な分かち合いを生み出す手法,学習者の意欲を引き出す傾聴技法など 
96.【学習計画の方法〜造形遊びを取り上げて〜,評価の方法】
 図画工作科の指導案の基本と指導案の書き方〈指導案立案の演習〉,基本的なスタイル,発達に即した指導法
 評価の方法
 
107.【指導案の自己診断】(添削して返却。教育実習等で役立てる。)
 図画工作科 A表現,B鑑賞に関わる基礎知識 
11  【絵や立体に表したりなどの教材研究】テキスト「造形コース」から,教材研究(完成して提出)。
 指導者自身の表現力をつける。(ボールペン・ドローイング) 
128.【模擬授業】
   図工班で準備1 調査・試作・計画〈演習〉 
13  【模擬授業】
   図工班で準備2 指導案完成・指導資料作成〈演習〉 
14  【模擬授業】
   計画した模擬授業を行う。導入部分の模擬授業を行う。3班実施〈演習〉 
15  【模擬授業】
   計画した模擬授業を行う。導入部分の模擬授業を行う。3班実施〈演習〉 
 
テキスト・参考書 (1)竹内博監修『造形コース』日本色研事業株式会社
(2)小学校学習指導要領解説 図画工作編 文部科学省
 
自学自習についての情報 ・美術館作品鑑賞などで多くの美術作品に触れる機会を積極的にもち,子どもの造形ワークショップ等にも参加すると子どもと共に造形活動を体験できる。
・京都市小学校ホームページや大学内の募集ポスターなどで学生ボランティアに応募すると,現場体験の機会を利用することができる。
・学生ボランティアをすると,図画工作科の授業に関われると共に,校内造形展の支援活動を体験したり,開催期間の児童作品を鑑賞したりすることができる。 
授業の形式 講義と演習・実習を併用する。個人またはグループ活動 
アクティブラーニングに関する情報 事前の自宅学習(予習プリント),「理想とする図画工作科の先生像」や「教科書(学年別内容毎)」のグループディスカッション・交流発表会,図工班でグループワークし指導案・指導資料作成しての模擬授業を行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ・造形遊びの活動報告,教材研究の作品,教科書分析,指導案作成(30%)  意欲の観点(10%)
・模擬授業の実施・まとめの期末レポート(60%)  【注意事項】全ての課題を提出すること。なお,免許法科目なので,病気や忌引きなどやむを得ないこと以外は,欠席を認めることはできない。
 
その他(授業アンケートのコメント含む) 授業評価から、題材研究に興味が持てるよう一層の改善を行ってきている。作業しやすい服装や携行品等は事前に知らせるので準備し授業に臨むこと。実践力の向上を目指し「自己診断」と「指導案の添削」の指導を行っているので,教育実習や教育現場での実践力育成の機会とすること。