科目情報
科目名 中等国語科教育IV 
クラス − 
授業の概要 新しい国語教育の学習法として導入が進められている「読み比べ」「アクティブ・ラーニング」を用いた文学作品の読書指導について、演習形式で扱っていく。教科書教材以外の現代的な文学作品(主に小説)を取り上げ、現代的な問題をどのように取り上げ、その解決を図っているかを探究する。 
授業の到達目標 設定した文学のテーマに関して、数編の作品を用いて、「読み比べ」を行い、考察を加えて、一定の学習成果として発表できること。また発表について受講者相互に積極的に発言を行い、考察の質を高めるように働きかけること。 
授業計画
内容
1日本の文学教育が持っている不必要な精読、合理性の弱い解釈を中心とした学習法に対して、問題(社会問題や人間の本質的な問題)を中心に読み比べを行う、問題解決的、相互啓発的な学習方法の必要性について講じる。次時に必要な作品の事前読書を指示する。 
2具体的に先行して実践されている高校の「読み比べ」学習の実態を解説し、この学習方法の重要性を理解する(その1)。取り扱うテーマについて候補案を検討する。1グループ3名程度で編成する。なお、「読み比べ」は現代作品に限定せずに近代作品も用いてもよいこととする。 
3具体的に先行して実践されている高校の「読み比べ」学習の実態を解説し、この学習方法の重要性を理解する(その2)。取り扱うテーマについて決定する。 
4第1回発表「テーマ例:近未来の家族のあり方が表現されている文学作品群」についての読み比べの内容と探究すべき問題の実状の発表、及び質疑応答。 
5第2回発表「テーマ例:現代の友情観が現れている文学作品群」についての読み比べの内容と探究すべき問題の実状の発表、及び質疑応答。 
6第3回発表「テーマ例:少年犯罪が反映された文学作品群」についての読み比べの内容と探究すべき問題の実状の発表、及び質疑応答。 
7第4回発表「テーマ例:動物が登場人物(文学教育上の呼称として人格が与えられているものは”人物”とする)として現れてる文学作品群」についての読み比べの内容と探究すべき問題の実状の発表、及び質疑応答。 
8第5回発表「テーマ例:近未来の家族のあり方が表現された文学作品群」についての読み比べによって得られた問題についての考察と・考究の成果の発表。第1回発表以後、進めてきた考察の成果を発表する。 
9第6回発表「テーマ例:現代の友情観が現れている文学作品群」についての読み比べによって得られた問題についての考察と・考究の成果の発表。第1回発表以後、進めてきた考察の成果を発表する。 
10第7回発表「テーマ例:少年犯罪が反映された文学作品群」についての読み比べによって得られた問題についての考察と・考究の成果の発表。第1回発表以後、進めてきた考察の成果を発表する。 
11第8回発表「テーマ例:動物が登場人物(文学教育上の呼称として人格が与えられているものは”人物”とする)として現れてる文学作品群」についての読み比べによって得られた問題についての考察と・考究の成果の発表。第1回発表以後、進めてきた考察の成果を発表する。 
12パワーポイント等、考察論集など発表方法を工夫したプレゼンテーション(その1)。前半4班分。 
13パワーポイント等、考察論集など発表方法を工夫したプレゼンテーション(その2)。後半4班分。 
14授業全体の成果と問題点についての総括討議。 
15授業成果に関する国語教育的な意義についての解説。 
 
テキスト・参考書 使用するテキストは指示する。文庫本(安価なものでかまわない)を受講者が各自購入する。 
自学自習についての情報 自分の担当作品以外の他の受講生の担当作品についても討議参加を前提とするので必ず読んでおくこと。 
授業の形式 講義に加えて、グループ別の討議、個人作業、個人別の演習発表、及び討議を行う。受講生の人数により授業の形式を変更することがある。 
アクティブラーニングに関する情報 個人の読みの発表、グループによる討議及びプレゼン(レジュメ作成、ポスターセッション、パワーポイントによる発表など)、全体による討議といったアクティブ・ラーニング中心の授業とする。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業時間中の個人作業(20%)、討議への参加状況(20%)、演習発表(45%)、レポート(15%)を対象に評価を行う。 
その他(授業アンケートのコメント含む) 文学作品の多読を中心とした新しい国語教育の方法の先進的な導入を試みる授業である。「深さ」よりも「広さ」を重視する。