科目情報
科目名 中等社会科教育I 
クラス − 
授業の概要 中等社会科教育I〜IV全体の導入として,中学校を中心として社会科の本質・目標・内容等についての理解を深めるとともに,義務教育(小学校・中学校)社会科全体に関わる方法論や理念を学ぶ.
そのためにまず,戦後を中心とした社会科の歩みを概観し,社会科がいまだ発展途上の教科であることを知る.次いで,現行の中学校学習指導要領に基づいて,地理・歴史・公民の各分野の構造と内容を概観するとともに,義務教育社会科としての「わかる」「考える」「体験する」社会科の方法論を学ぶ.
最後に,実際の社会科教育の実践現場ではどのような課題があり,かつそれらを克服しようとしているか,附属学校教員による授業づくりの解説・紹介などを交えて,受講者全員で論じ合う.  
授業の到達目標 1.戦後社会科教育の歩みの概略を理解するとともに,社会科が比較的新しい教科であり,今後も変化していくものであることがわかる.
2. 地理・歴史・公民各分野の全体構造と目標・内容を有機的に結びつけることができるとともに,社会科の課題と現状がわかる.  
授業計画
内容
1中等社会科教育I〜IVのオリエンテーション,課題の説明,
歩みから考える社会科の目ざすもの(1)
(昭和20年代の社会科)  
2歩みから考える社会科の目ざすもの(2)
(昭和30年代以後の社会科)  
3社会科の内容(1) 地理的分野の指導
(学習指導要領に即して)  
4社会科の内容(2) 歴史的分野の指導
(学習指導要領に即して)  
5社会科の内容論(3)公民的分野の指導
(学習指導要領に即して)  
6社会科授業の基本(1)社会をわかる@
社会科の問いと知識の分類,教科書の分析 
7社会科授業の基本(2)社会をわかるA
概念的な知識を獲得する授業と基礎指導案の作成  
8社会科の発展(1)教室から社会へ
社会科における提案,社会参画
 
9社会科の発展(2)教室に社会を
社会科におけるゲーム,シミュレーション  
10社会科の発展(3)教室を社会に
社会科における意思決定,合意形成  
11社会科の評価(1)
評価の基礎と手続き(相対評価から絶対評価へ)  
12社会科の評価(2)
新しい評価論とその具体化としての言語活動,パフォーマンス評価,協働的問題解決 
13附属学校教員による実地指導(1) 
14附属学校教員による実地指導(2) 
15社会科教育(I)全体のまとめ
省察とディスカッション 
 
テキスト・参考書 ・原田智仁編『社会科教育のフロンティア』(現代教育社)、2010
・文部科学省編『中学校学習指導要領解説(社会編)』(日本文教出版)
・その他、参考書は授業時に紹介するとともに、必要に応じてプリント資料を配布する。 
自学自習についての情報 社会科の「あゆみ」「知識論」「評価論」の3つのパートに分けてノートを整理しておくことがのぞましい。 
授業の形式 講義 
アクティブラーニングに関する情報 受講生諸君には,本授業を通して,自らが持っている社会科授業観(社会科はこうあるべきだ,こうありたいという「信念」)を省察的に問い直してもらいたい。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 1)課題レポート・期末テスト・小テスト合わせて 70%,2)授業への貢献・参加度 30%
原則として、授業の2/3以上に出席し、かつ課題レポートを提出した者を評価の対象とする。 
その他(授業アンケートのコメント含む) 本授業を学生諸君は毎年意欲的に受講してくれている。本年度もぜひそのように望みたい。なお,本授業は中等社会科教育(T〜W)の導入であるのみならず,初等社会科教育の発展・応用としての意味を持っているので,小学校教員志望者も受講することが望ましい。また中等教科教育としては,地理歴史科教育の導入の意味も持っているので,後回しにすることなく,まずこの科目から受講計画を立ててください。